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映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』ネタバレ・あらすじ・感想。

際に起きた連続殺人事件を描いた映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』を観た。

『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
役者の演技が絶品。
いい意味で裏切る脚本と演出。

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予告編

 

 

解説

 
1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した5年間で4人の娼婦を殺害した連続殺人犯の日常を淡々と描いたサスペンスホラー。

ソウル・キッチン』『女は二度決断するのファティ・アキン監督。

2019年・第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品。

実際に起きた連続殺人犯であるフリッツ・ホンカを主役にした映画である。

フリッツ・ホンカは1970年から1975年の間に4人の女性を殺害して、アパートに死体の一部を隠していた。

フリッツ・ホンカは、1935年ドイツ・ライプ ツィヒ生まれ。10人兄弟の3人目として生まれた。

港湾労働者として働いていたが、交通事故で鼻を砕いて後遺症が残った。57年に結婚して子を儲けるが、60年に離婚。再婚もしたが67年に再度離婚。

72年に娼婦を強姦しようとして通報される。この頃にはアルコール中毒は深刻なものであった。

70年、夜間警備員だったフリッツは、42歳の娼婦を殺害。

74年に54歳の娼婦と57歳の娼婦を、75年に52歳の娼婦を殺害した。そのうち3人の娼婦の失踪は警察に報告されることはなかった。

ファティ・アキン監督はドイツ・ハンブルク出身で、子供の頃にいたずらをすると、「気をつけないと、ホンカがやってくるぞ!」とよく言われていたそうだ。当時のドイツで人々に強烈な印象を残したシリアルキラーなのである。

2019年製作/110分/R15+/ドイツ・フランス合作
原題:Der Goldene Handschuh
配給:ビターズ・エン ド

 

あらすじ

 
1970年代のドイツ、ハンブルクでフリッツ・ホンカは、男女が集うバー「ゴールデン・グローブ」に通って女性に声を掛けるが、ボロボロで曲がった歯に斜視という外見で見向きもされない。

そんな彼は、暮らしている安アパートの屋根裏部屋に年増の娼婦(しょうふ)を招いては、ある行為をするようになるのだ。

 

感想

 
実際にあった事件を基にして作られた映画であるが、この映画の魅力は役者の演技である。

脇を固める人たちも魅力的なのだが、主役の殺人鬼をした男の演技力はどーしても素晴らしいものだ。

フリッツ・ホンカ役をヨナス・ダスラーさんという役者が演じている。

目はうつろ、歯はボロボロ、見た目から言って「危険な人物」だなぁと思わせてくれる男で、歩き方や仕草も異様なのである。

特殊メイクをしているらしいけど、一体どうすればこんなイケメンがフリッツ・ホンカ役を演じられるのだろうか。

起用する監督も優秀であるし、ヨナス・ダスラーさんも優秀である。

残念ながら日本の映画だと、こうはいかない。イケメンが殺人鬼を演じて異様な空気感を演出してみても、どこかしらカッコ良さは残しているものだ。ただ不精ひげを生やしただけとか。

役者の演技も素晴らしいし、演出も素晴らしい。下品な描写も、さほど下品には見せない。だからと言って上品ではない。下品な描写をグロ過ぎず、抑えながらも過激に見せている。

グロ描写が好きな人は、殺人シーンでの千切れた手足や胴体をそのまんま観たいのだろうが、それではキツ過ぎる。また違ったスプラッター映画になってしまう。

本作ではフリッツ・ホンカという男の日常の中での異常性、変態さと凶暴さを上手く表現していて、残酷な描写を見せつけるものではない。

また本作の素晴らしき点は、フリッツ・ホンカが目を付けた「美しい女性」が、何のトラブルにも一切巻き込まれなかったことである。

序盤でこの女性が出てきてフリッツ・ホンカに目を付けられた時は、「あー、最後はフリッツ・ホンカの餌食になってしまうのか」と不安な気持ちにさせたのだ。ラスト、やっぱりこの女性が現れて、一人ぼっちになったところをフリッツ・ホンカに尾行されて、「あー可哀相」と思いにさせるが、女性は最後の最後まで自分に起きそうになっていた危険すら知らずに助かるのである。

事件とは全く関係のないこの女性を、あたかも今後関係があるように思わせながら登場させて、何も関係がなかったというのは素晴らしき脚本と憎い演出である。

確かに「この人、殺されちゃうだろうな」という女性は、実は助かっていたりするのだ。

その巧みな物語の作り方は、観ていて非常に唸るものである。

最後の終わり方も、いい意味であっけなくて良かった。

もっと壮絶なラストの盛り上がりを見せて終わるんじゃないんだ?という驚きがある。

役者の演技や演出、いい意味で裏切っていく物語は非常に良かった、というところで「カット、カット」。

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