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池上遼一 (著)『サンクチュアリ』を読んだのだ。

画『サンクチュアリ』は1990年から1995年まで発表された少々古いものだが、かなり評判が良い噂を耳にする機会もあり、今まで未読だったので文庫版で全巻購入して読んだのだ。

『サンクチュアリ』

池上遼一  (著), 史村翔 (著)

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サンクチュアリ

 
作画は池上遼一先生、原作は史村翔さんという方で「誰?」と思っていたが、文庫版1巻のあとがきを読んでいたら史村翔さんの正体は「武論尊」先生だったのである。

武論尊先生といえば名作『北斗の拳』の原作者で、「『サンクチュアリ』も原作していたの?超スゲ~やん!」と驚いた拍子に椅子からではなく崖から転げ落ちた(どこで読んでんねん!)。

史村翔(武論尊)先生のあとがきを読んでいると、大物漫画家大先生の池上遼一先生の原作とあって編集長から追い詰められ、反射的に「極道モノをやります」と言ったそうな。編集長に「なめてんのか、裏の世界だろうが」とドヤされたので、言い訳混じりに「いや、だから“裏”だけでなく“表”の世界も入れて・・・」と言ったら、隣で酒を飲んでいた担当編集者が「政治の世界って面白いですね」とボソッと発した言葉で、「よし!それで行け!!」と編集長からのGoサインが出たという。

そんな飲みの席で編集長にビビりながら咄嗟に発した言葉によって、『サンクチュアリ』が生まれたのだから凄い。

裏の世界は極道、表の世界は政治という二つの道から「日本を変える」と大義を持った二人の若者の物語を描いた作品は、確かに読み応えがあり面白い。

少年時代にカンボジアで地獄のような体験をした二人が、今の日本を見て「こいつら“生きる”って事をどう考えているんだろう」と感じた絶望感が二人を動かす。

絶望感の中から日本を変えるために立ち上がり、あらゆる困難を切り抜けて戦っていく姿は、自分自身の生き方にも突き刺さる。

平和ボケした日本であっても、「平和であることは素晴らしいことではないか」と思うが、死んだように生きている日本人ばかりであることは悲しい。それは「生きていない」に等しい。

30年前の漫画だが、現代も状況は何も変わっておらず、彼らが夢を描いた絵は、今の日本にはない。

『サンクチュアリ』は展開も激しく、極道の北条が選挙に立候補した時には流石に「なんでやねん!」と思った。反社の人間が政治家になるなんてことは実際問題アリなのか?

浅見の議員仲間の仙石と吉川は、後半全然活躍してなかった気がする。仙石はかなりの暴れん坊だったが、全然おとなしくなってしまった。

吉川や兵庫県警捜査四課の課長の平山、伊佐岡幹事長が驚く程に身長が低く、他のキャラクターとのアンバランスさが笑えた。

女性の全裸シーンが多いのも何故か笑えるのであった。

現実離れした描写に笑ってしまった箇所もあったが、彼らの熱い信念には心を動かされるものがある。

『サンクチュアリ』は、現代の日本にとっても必要な漫画なのだ。

 

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