藤子不二雄A先生の『夢魔子』を観たのだ。
『夢魔子』 妖艶な夢魔子。 男子学生は夢魔子に翻弄される。 監督:クニトシロウ 脚本:川村万梨阿 |
昭和45年に学習研究社・高三コースに連載された藤子不二雄A原作の『夢魔子』が基になっているアニメ版。
夢魔子は、ターゲットを男子学生に絞った女性版「喪黒福造」である。
『笑ゥせぇるすまん』と同様にTBSの2時間バラエティ「ギミア・ぶれいく」内で5話ある原作の内「城」、「変身」、「脱皮」の3話がアニメ化されて放映された。
日常に悩みを抱える若い男たちを惑わす美少女の名は、夢魔子。
彼女は押し込まれていた願望や絶望を引き出して、そして導いていく。
キセルをくわえてドコからともなく現れて、今日もあまーい欲望のカタマリにつられた犠牲者を人生のドン底へと落としていくのである。
藤子不二雄A先生の『夢魔子』を超久しぶりに観た。
人気の『笑ゥせぇるすまん』同様、「ギミア・ぶれいく」で放映された『夢魔子』だ。
僕は藤子不二雄A先生のブラックユーモアの漫画が好きで、『笑ゥせぇるすまん』はもちろん、『ブラック商会変奇郎』、そして一番好きな『魔太郎がくる!!』などは、よく読んだものだ。
『夢魔子』も読んでいたので、アマゾンプライムで視聴出来るということもあり、久しぶりに観た。
魔太郎のようにジメジメとしたいじめられっ子ではない。黒いマントを羽織って復讐しに来たりしない。
夢魔子は妖艶だ。
夢魔子は美少女であることを活かして、関わり合う人たちを虜にして翻弄する。
あまりにも謎深き美少女であり、そのミステリアスさがゆえに夢魔子の魔力に惹きつけられてしまうのだ。
藤子A先生のブラックユーモアはクセになる。
一話完結の物語で、一話ごとに悩める子羊が登場してきて、一時はその悩みが解消されて救われるのだが最後にはどん底に堕ちてしまう。
どん底に堕ちてしまうことは本来バッドエンドであり、悲しいことでありながら、何故か笑えてしまうのである。
それがブラックユーモアなのである。
笑えない悲しみは描かれない。
そして、不思議と人生の教訓なるものが学べるのだから素晴らしい。奥が深いのだ。
無表情で感情を露わにしない夢魔子、少女と思えぬほどに落ち着いた夢魔子、微笑みが妖しくも美しい夢魔子。
もしも、そんな女性に巡り合ったとしたのなら、どうにか関わらないようにして逃げようと思う。
本作は一話10分の三話構成なので、サクサクッと観れるのでオススメである。
藤子不二雄A先生のブラックユーモア作品は最高である、といったところで「カット、カット」。
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