神奈川県川崎市の岡本太郎美術館で開催されている小松美羽展『岡本太郎に挑む – 霊性とマンダラ』に行ってきたのだ。
最高の企画展。岡本太郎も小松美和も好きな僕にとっては行かない理由がない。
美術館のエントランスでは岡本太郎の『太陽の鐘』の両脇に小松美羽の『山犬様 招き』が飾られている。
岡本太郎の展示が終わると、黒と黄金のカーテンが小松美羽の世界へといざなう。
目の前に大きく飛び込んでくるのが巨大な布に描かれた『祈祷』。
小松美羽の初期作品から今年の最新作品まで、その軌跡を辿る構成になっている。
鉛筆で描かれた高校三年生の頃の作品『うさぎの裸』。
「美しすぎる銅版画家」と呼ばれ話題になっていた小松美羽の銅版画は、幾千万もの繊細な線が清らかに優しい命を刻んでいる。
脚光を浴びるキッカケになった大学生の時の作品『四十九日』。
ニューヨークに武者修行に行った小松美羽の作品は銅版画ではなくなっていた。
代表作『四十九日』の銅板を切断。新しい自分を創造するために。
2014年、出雲大社に奉納した『新・風土記』。小松美羽作品を象徴する大きな目が、神々しく空に昇り浮かぶ。
真田十勇士を神獣に見立てた、『真田獣勇士の想い』。
アクリル絵の具をキャンバスにふんだんに塗りたくった小松美羽の真骨頂が見られるようになる。
その色彩表現は大胆かつ繊細。カラフルの中にある陰と陽。光輝き煌めくと共に生まれる陰影。
展示会場も光と影を演出していて、壁一面を黒に。作品に光を当て、神獣たちが浮かび上がる。
空気が浄化されていくかのようなアート空間。
金色の輝きを放ち、人間の邪気を追い祓う。
『ネクストマンダラ – 大調和』は、東寺の食堂に篭って制作された。
約4M×約4Mの超大作の掛け軸で、二幅一対の作品。今回の展覧会が初披露で、2023年に東寺へ奉納される。
中央に立つ岡本太郎の『渾沌』の周りに並べられた、小松美羽の『黒曜石 – 透明なる渾沌』。
高野山で描かれた、『NEXT MANDALA – 魂の故郷』。
大きな目は放射状に花が咲いている。
岡本太郎美術館で開催され「岡本太郎に挑む」と題された小松美羽の展覧会は、素晴らし過ぎる岡本太郎との魂の融合である。
「本当の調和とはぶつかり合うこと」と言った岡本太郎と、小松美羽の究極の調和。
二人の情熱の炎がメラメラと燃え盛り、魂の火花がバチバチと飛び散っていた最高の展覧会。
見応え十分。過去作から最新作まで盛り沢山。大満足。
会場で図録も購入。
図録の内容も非常に充実していて感無量である。
この記事へのコメントはありません。