注目の記事 PICK UP!

世にも個性的な画家たちの『自画像』5選。

故、画家は『自画像』を描くのだろうか?

「これが私の顔なんです!」とキャンバスに自分の顔を描き、アピールするのだろうか?

そして僕たちは何故、画家の『自画像』に心奪われるのだろうか?

それは画家が絵描きである自分の感性と技術を『自画像』という作品に魂を籠めた産物であるからなのだろうか。

「顔」は自分の人生を表して、「顔」は生き様を表す。

そう考えると『自画像』には画家の全てが詰まっているのではないだろうか。

今回は個性的な『自画像』を5つ選び紹介させていただく。

 

個性的な画家たちの『自画像』5選

 

①フィンセント・ファン・ゴッホ(1853年3月30日 – 1890年7月29日)

『耳に包帯を巻いた自画像』

先ずはベタではあるが超有名な誰もがご存知のゴッホの『耳に包帯を巻いた自画像』だ。

もう皆、見慣れているから違和感ないかもしれないけど、当時この絵を見た人々が、「自分で耳を切ったから包帯を巻いている」自画像だと知った時は、凄い衝撃的だったんじゃないだろうか?

耳を切った自画像なんて他に見たことねーよ!!」というのが率直な感想だが、『自画像』単体を見る限りでは包帯を巻いているだけなんで、まさか耳を切ってるなんて思わない。先入観がなければ包帯であるかどうかも気づかないかもしれない。

大体シレッとした顔でパイプなんて吸っているから、耳のことなんて気にしようがない。

でも耳を切った自画像って知ると「正気か!おい!」と驚くばかりだ。

「耳も切ったことだし、自画像でも描こうかなぁ」というゴッホのサイコ具合に、この『自画像』を見ながら痺れるばかりである。

代表作『星月夜』

フィンセント・ファン・ゴッホの思い出 

ヨー ファン・ゴッホ=ボンゲル (著)

Amazon

 

②サルバドール・ダリ(1904年5月11日 – 1989年1月23日)

『焼いたベーコンのある柔らかい自画像』

「ダリふざけ過ぎてて、よくわかんねー」というのが印象だが、この自画像が意味するものは何なんだろう。

ダリの顔は柔らかくビヨ~ンと重力には逆らえない様子ではあるが、その顔を複数の松葉杖で支えている。

朽ち果ててしまったのか、目元や口元で蟻が群れをなしている。ダリの顔を食べているのか。「サルバドール・アリ」ということなのか。日本語でしか通用しないから、きっとそれは違う。

顔の下、近くに置かれたベーコンは一体どういうことなのか?

自身の顔をぐにゃりと柔らかくしたが、ダリが描いた柔らかい時計は有名な作品である。

代表作『記憶の固執』

ダリ・私の50の秘伝
サルヴァドール・ダリ (著)

Amazon

 

 

③葛飾北斎(1760年10月31日?- 1849年5月10日)

『画狂老人卍』

葛飾北斎という名前は一般的によく知られているが、「画狂老人卍」というのは北斎が名乗った最後の名前である。

北斎は自分の名前をコロコロ変えていて、改号すること30回というのは北斎を語る上では欠かせない人物像なのだ。

「画狂老人卍」という、江戸時代の老人が付けるには、かなりのパンク。自画像も超エモい。

代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』

北斎決定版 (別冊太陽 日本のこころ)

浅野 秀剛 (監修)

Amazon

 

 

④フリーダ・カーロ(1907年7月6日 – 1954年7月13日)

『自画像』

フリーダ・カーロはメキシコの女性画家で、つながった眉毛口ひげが印象的で47年の生涯で約200点もの作品を残したが、そのほとんどが「自画像」であるという、もう自画像の中の自画像、自画像・オブ・ザ・自画像な画家である。

個性的過ぎる自画像を沢山描き、そのどれもが無表情である。笑ったり、怒ったり、喜怒哀楽がない。

無表情な自画像だが、女性ならではの感性なのかヘアースタイルや、他に描かれた背景生き物で、自画像の雰囲気を大きく変えている。

代表作『傷ついた鹿』

フリーダ・カーロ:痛みこそ、わが真実
クリスティーナ ビュリュス(著)

Amazon

 

⑤パブロ・ピカソ(1881年10月25日 – 1973年4月8日)

『自画像』

ピカソ、90歳の時の自画像である。

芸術なのか、笑わせようとしているのか、謎である。

もしもこの自画像を「ピカソが描いたもの」という先入観がなければ、評論家たちは何て評価するのだろうか。

天才過ぎて、なかなか理解出来ない領域に達している。

ピカソの凄いところは、デタラメのようでデタラメではないところだ。デタラメに描こうとしてもマネ出来るものではない。

ピカソの『ゲルニカ』がそれを証明しているではないか。

代表作『ゲルニカ』

もっと知りたいピカソ 生涯と作品

松田 健児  (著)

Amazon

 

Photo by Jean Carlo Emer on Unsplash

関連記事

  1. 世にも個性的な『薔薇』をモチーフにした絵画

  2. なぜ、葛飾北斎はエモいのか?

  3. 一切宣伝なし!宮崎駿監督新作『君たちはどう生きるか』

  4. 世にも個性的な『ひまわり』をモチーフにした絵画5選。

  5. 10年ぶり『あまちゃん』再放送で大反響!!

  6. 怪談というエンタメ。

  7. 何故、矢沢永吉の『成りあがり』は面白いのか?

  8. 『雷電為右エ門』浮世絵で見る史上最強力士

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ARCHIVE

PAGE TOP