現在、『この世界の片隅に』というアニメ映画がヒットをしていて、上映館数が増えて作品の評価が高いのはもちろんのことだが、必ずヒットの要因ってのがあるはずで、それを考えていると、「あーなるほど」これは、もしかしたら最初から計算された戦略があったのだなと思った。
最初に断っておかないといけないが、僕はまだこの映画を観ていない。観たいのだが近所の映画館ではまだ公開されていない。
それはさておき、ヒットの要因と最初から計算された戦略を考察していこう。
映画製作にあたってクラウドファンデイングで資金を集めたこと。
そして、このクラウドファンディングは目標金額以上に支援された。
このことによって、この映画が注目されて話題になった。
のんは『あまちゃん』以降、事務所との騒動で本名である能年玲奈という名前も使えなくなって、のんに改名したり、その間は作品には出演することがなかったが色々と話題にはなった。
この映画の完成作では、のんの声優としての評価も高いみたいだけど、元々本当にのんを純粋に起用したかったのか?
のんをこの映画の声優に起用することも、大きな話題作りではなかったのか。
これは全然批判的なことではなく、すごく賢い選択であったと思う。
輝く逸材でありながら芸能界でなかなか出番がなかった人を起用するというのは、それで大きな話題になり世間にこの映画の存在をもっと広く知ってもらうことになった。
こうした話題作りは広告費ゼロで、マスコミが勝手に報道して世間が騒いで拡散してくれるので、のんの起用は大成功だった。
この映画が戦争を題材にした映画ではなかったら、先ず話題になりにくいだろう。
震災であったり、戦争であったり、それを題材にした作品は話題になりやすい。
『シン・ゴジラ』や『君の名は。』も、震災を大きく題材にしていた。
話題作りを戦略的に考えてクラウドファンデイングをして、のんを声優に起用したのではないか。
そして戦争を題材にした。
僕はまだ観ていないが、観た人達の高評価の口コミが拡散して現在のヒットにつながっている。
話題作りだけではなく、しっかりと良い作品を作って成功している。
話題作りだけが先行して酷評ばかりが目立つ映画にはならなかった。
そして運良く『君の名は。』大ヒット後の公開で、『君の名は。』旋風の波に乗れたのだ。
『君の名は。』を観た観客は「他にも良さそうなアニメ映画はないかなぁ」と多くの方が探したはずだ。普段はしない行動である。
僕は『君の名は。』を観た後に以前の新海誠作品はもちろんのこと、他にもアニメ映画を観たくなった。例えば、たまたま面白い小説に出会った後は、その後すぐに他の面白そうな小説を探すのだ。上野動物園が楽しかったら今度は多摩動物園に行きたくなったりする。
そして『この世界の片隅に』のヒットにより、アニメ映画ブームが到来している。
今年は何が公開されるかは知らないが、観客は他の面白そうなアニメ映画を待っているのだ。『君の名は。』や『この世界の片隅に』で感動した気持ちをもう一度味わいたくなるものなのだ。
作品の良さが大前提にあるとして、他にもヒットにつながった理由はあると思うが、これらの要因が大きかったのである。
この記事へのコメントはありません。