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『大浮世絵展 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』大興奮!!

戸東京博物館にて『大浮世絵展 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』が開催!!

先月、両国にある「すみだ北斎美術館」に訪れたばかりだが、11月30日に再び二ヶ月連続で両国の地に立ち寄った。

両国はすごく好きな地になった。

相撲はあるし(全然見ないけど)、「すみだ北斎美術館」はあるし、ちゃんこ屋さんはいっぱいあるし(いつか食べに行きたい)、江戸東京博物館がある。

北斎が生涯のほとんどを墨田区で過ごしたように、もしも東京に住むなら両国だなぁと思いを馳せるのであった。

高床式の倉をイメージしたという建物である。

それでは、いざ出陣!!

 

『大浮世絵展 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』

 
最近、浮世絵が好きで色々と調べて勉強しているのだが、その中でも葛飾北斎が好きなのである。他の浮世絵師については、まだまだ知らないことばかりなので、今回の大浮世絵展を通して作品に触れて学んでいきたい。

5人の浮世絵師の作品が絵師ごとに分けて展示されている。

 

喜多川歌麿 (1753-1806)

 
歌麿は「美人画といえば歌麿」と言われるほど、美人画を主に描いている。

流れるような筆運びで多くを描き足さないシンプルで大胆な女性像だが、着物の文様は繊細に描かれており、女性の美しさを際立たせている。

視線は真正面ではなく上品に目を逸らして、奥ゆかしさを感じる。すらりと伸びた鼻筋と小さな口、滑らかな曲線で輪郭を描いていて、「江戸時代の女性を生で見てみたい」と思わせてくれる作品である。

 

東洲斎写楽 (生没年不詳)

 
写楽といえば謎多き絵師で、江戸時代中期に活躍していたんだけど、その期間わずか10ヶ月。

写楽の正体が誰なのかは不明のままだが、能役者の斎藤十郎兵が有力な説。

葛飾北斎が活動していない空白の10ヶ月と写楽の活躍していた時期が被っているという点で、葛飾北斎説もある。

写楽といえば有名なこの役者絵だが、僕も好きな絵だ。20歳頃、僕のアパートの部屋ののれんは写楽のこの役者絵だった。

バストアップでのダイナミックな構図誇張されたユニークな役者絵は、現代を生きる僕においても非常に面白く魅力的な作品である。

小さな目と鷲のような大きい鼻、どでかい顔の割に小さな手。不思議な迫力を感じるのは、何故だろうか?

 

葛飾北斎 (1760-1849)

 
3人目の浮世絵師は、大好きな北斎。その生涯は常人を逸した画狂人生であった。

展示されていたのは代表作「富嶽三十六景」。富士を主役として、色んな角度から描いて様々な構図で魅了した作品群は、美しい日本の心を大事に思わせてくれる。

波の表現も凄いし、風の表現も凄い。達人である。

水の表現に挑んだ「諸国瀧廻り」。

そして「諸国名橋奇覧」等、バラエティーに富んだ北斎の世界が楽しめる。

 

歌川広重 (1797-1858)

 
広重といえば、代表作「東海道五十三次」。

日本の風情を巧みに描いた情緒溢れる作品は、江戸へとタイムスリップさせてくれるかのような錯覚を起こす。

僕が広重作品で釘付けになったのは、「名所江戸百景」だ。

名所百景と謳いながら真正面から名所を見せるのではなく、名所を邪魔するようなカタチで物体を配置するのだが、何故かそれが美しく趣があるのだ。

鯉のぼりが風にたなびく、その脇で富士山が拝めるという憎い演出をしやがる。非常に好きな絵だ。

 

歌川国芳 (1798-1861)

 
最後を飾るのは、歌川国芳。国芳の展示に入った瞬間、世界が一変する。衝撃であった。

「美家本武蔵」、何だ!このカッコ良さは!

三枚の絵を繋ぎ合わせた「宮本武蔵の鯨退治」。

国芳が凄いのか。武蔵が凄いのか。両方とも凄い。

「大江山酒呑童子」は、普段は人間の姿なのだが酔って童子から鬼面に変身しつつある酒呑童子に、四天王たちが斬りかかろうとしている様子を描いている。全身を鬼の姿で描くではなく、酒吞童子の右半分が鬼の姿になっている過程が一層におぞましい。

「源頼光公館土蜘作妖怪図」も好きな作品。

とにもかくにも大興奮な大浮世絵展である。

5人のそれぞれの浮世絵師の味、個性、世界観がひしめき合っていて、どれもこれも素晴らしい作品ばかり。

会場を何往復もしたくなる魅力的な展覧会であった。

 

常設展

 
常設展も凄い。一日中遊べる

今回はザッと見ただけであったが、次回はじっくりと堪能したい。

写真撮影OKであったので、写真だけアップしておくので雰囲気を味わい下さい。

江戸東京博物館、最高!!

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