今年も開催された松本敏裕さん と亮平さんの親子展。
開催場所は昨年と同じく横浜市みなとみらい駅構内サブウェイギャラリーM。
8/12に『松本敏裕 ×亮平展 ーそれぞれの表現Ⅳー』を見に行ってきた。
一年の歳月を経て、どのような世界がこのギャラリー内に展示されて巻き起こっているのか?非常に楽しみな気持ちにさせてくれる。
何もない真っ白なキャンバス、何もない空間に、芸術家は想像と創造の魂で世界に命を吹き込み、見る者の感受性を揺さぶり、見る者の心を鮮やかに彩るのだ。
来る前は空っぽだった自分の心に、来た後は無数の花々が咲いている。
先ず驚かされたのは敏裕さんの新作の数々。
イタリアヴェネチアを取材して、そこから湧き上がる創作意欲が凄まじい。
前回はカーニバルが開催されていた様子の作品が多数あったが、今回は日常の街並み、路地、人々の暮らしが多数描かれていた。
作品から人々の息遣いが聞こえてくるような、また犬や猫、鳩たちの声、暮らしの風を視覚だけではなく、聴覚、嗅覚にも感じさせてくれる。
ほんの見過ごしてしまいそうな一コマを、写真で見るよりも遥かに美しく温かく伝わってくるのが何とも嬉しい。
一筆一筆は一言一言となり、下手な旅行体験を聞くよりも。芸術家によって描かれた一枚の絵は雄弁なのである。
作品を感じる時、紛れもなく僕もまたヴェネチアの地に立っていたのだ。
9月末に亮平さんは自身の個展を控えており、そちらで新作をドカンと披露するという事もあって、今回の展示は新作ではないが、どでかい絵が並べられている事で迫力のある面白い展示方法だった。
ざわめき動くいきものたちの最高の瞬間を捕らえて、最高の構図で最高の世界を描いている。
いきものたちは、吠え、舞い、踊る。
ひとつの作品から様々な物語を空想させてくれる、とにかく愉快で面白い。
作品を視界いっぱいに丸ごと受け止めた後、左右に分けて見たり、いきもの一体一体を観察したりしながら咀嚼したり、また全体を見てみたり、今度はキャンバスの枠を飛び越えた想像力の視点で見る。いや、目だけではなくカラダ全体で作品を体感するのだ。
『感受性』という水面に、亮平さんの『作品』をドボンッ!と入れたならば、『想像力』という波紋が一気にドバ~ッ!と広がっていく。
そう、目で見ただけで完結してしまう作品ならば、つまらないものだ。
亮平さんの作品は毎度見るごとに物語や世界を想像させてくれて、僕を夢見る少年にしてくれる。
そして!今回の展示会のための新作!
近くで『モネ展』が開催されているので、『モネ展』のチラシを張ったりして、ユーモアあるサービス精神満載の新作。それがまた面白いイイ作品だから、あなどれない。
前日に、亮平さんが講師をするワークショップがあったとの事で、その時に使用した動物たちのフィギュアを見せていただいた。
創作の秘訣というか秘密というか、ほんの少しだけど垣間見れた気がした。
作品から迫ってくる純粋な情熱な魂は、生きる活力を僕に与えてくれる。
描きたいものが山ほどあるのか?湯水の如くアイデアは湧いてくるのか?それとも作品を生む苦しさに悩まされる事はあるのか?
わからないけども、敏裕さんと亮平さんの芸術家親子は、とどまる事を知らない純粋な情熱で、とにかく作品を創作する事を楽しんでいる。
ギャラリーに訪れてきた人たちに自ら積極的に話しかけたり、声をかけられると笑顔で飛んでいって対応していたり、作品についての想いがどんどん出てくる。
僕はこの父と子が大好きであり、この親子の作品が大好きなのである。
そして驚くべきは、親子だけではなく、何ともぶったまげた芸術一家なのである!!
敏裕さんの兄である秀昭さんの木彫の作品はビックリしました。
めちゃくちゃ緻密で繊細で、ちょっと力の加減を間違えたら、パキッと折れちゃうんじゃないか?という程、技術の巧みさに驚きました。
いやぁ面白かったです。
ありがとうございました。
松本亮平Ryohei Matsumoto展-生命の記憶Ⅱ-
’18年9月25日(火)ー10月6日(土) |
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