長野県にある『信州小布施 北斎館』に行ってきたのだ。
昨年から、ずっと行きたいと思っていたが、今年の新型コロナの影響でなかなか行くことが出来なかった。
色々と魅力的な企画展が目白押しだった2020年の美術館も、コロナの影響で中止等に追い込まれて、僕もウズウズとしていたのだ。
政府が打ち出した【Go To】というキャンペーンを建前に、この日は美術館へ出かけるチャンスなのであった。
黙って絵を鑑賞することでは、極めて感染リスクは低いのだが、長野県の小布施にある北斎館のある通りは、多くの人たちで賑わっていて驚いた。
北斎館が位置する場所は、観光地化されている場所だったのだ。
周囲の街並みの雰囲気も良くて、秋を彩る紅葉が心を落ち着かせる演出をしてくれている。
この日の企画は、北斎生誕260年記念「北斎 視覚のマジック」展が開催されていた。
館内もキレイで、めちゃくちゃ居心地が良い空間である。
館内は写真撮影もOKなのだ。
「北斎 視覚のマジック展」は、[摺物(すりもの)]、[初期役者絵と浮絵]、[風景版画の確立]で構成されていて、その他、読本の挿絵等や肉筆の展示がされている。
北斎好きの僕には大興奮の展示で、あらゆる北斎を堪能できることが嬉しい。
今から200年前の日本の風景が北斎の目を通して現代に映し出される。
江戸時代の風景、人、その暮らしが、僕の目の前に広がっていく時、月並みな言葉ではあるが「日本は美しい」と思うのだ。
江戸の風景の中で僕も花火を見たいと、北斎の描く絵を通して、その美しさに息を呑む。
北斎の切り取る一コマ、構図、その一つ一つが一寸の狂いもなく描写されている。
絵を描くことに情熱を注いだ北斎の人生が紡がれていく物語を追いかけるように、『北斎館』を歩き鑑賞するのである。
多種多様な様々な絵を描き、絵の世界を追求し続けた北斎の一筆が、まだ生きているかのように作品世界からぐんぐんと迫ってくるのだ。
真剣な眼差しで対象物を捉えて、ニカッと笑う北斎の顔が浮かぶ。
江戸時代の人たちや海外の人たちも魅了させた北斎の絵は、現代に生きる僕たちをも虜にしてしまうチカラがあり、それは後世の人たちにも受け継がれていくだろう。
晩年、北斎は浮世絵版画の世界から離れて、肉筆画を描くことに没頭するようになる。
「画狂老人卍」と名乗り、北斎は信州小布施へ数回旅をした。
そして小布施の祭屋台天井絵を描いたのだ。
『龍』『鳳凰』
『男浪』『女浪』
北斎の作品が素晴らしいのは当然のことだが、信州小布施の『北斎館』は館内が綺麗で居心地が良くて最高。
『北斎館』がある街並みの雰囲気も良くて、かなりお気に入りの場所になった。
また必ず行こう!
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