前作で決着がついたはずの続編、『オーメン4』を観たのだ。
『オーメン4』 男の子を女の子に変えただけ。 絞りカスの劣化版『オーメン』。 監督: ジョージ・モンテシ/ドミニク・オートナン=ジェラール 出演: フェイ・グラント, マイケル・ウッズ, マイケル・ラーナー, エイジア・ヴィーイラ, マディソン・メーソン |
悪魔の子ダミアンを主人公にしたオカルト映画の10年ぶりの続編であるTVムービー。
本作では、悪魔の少女が汎キリスト者を殺戮していく。
ホルヘ・モンテンとドミニク・オートナン・ジェラールが共同で監督。
ロバート・ランドレスが音楽を担当。
テーマ曲のみ3部作のアカデミー賞受賞のジェリー・ゴールドスミスのスコアを使用。
1991年製作/アメリカ
原題:Omen 4 The Awakening
配給:20世紀フォックス
子宝に恵まれない弁護士のジーン・ヨークと妻のカレンは、聖フランシス孤児院から養女を譲り受けた。
政治活動をするカレンの叔母からとって、女児にディーリアと名づける。
だがディーリアが成長していく中、周囲では奇怪な出来事が起こり始める。
ディーリアの存在に恐怖を感じた妻は私立探偵を雇って、ディーリアの出生を探らせるのだが・・・。
なるほど。前作「オーメン3」では32歳になったダミアンが描かれ、遂にはダミアンが死を遂げてしまったものだから、さらに続編を考えるとしたら少女を主人公にして『オーメン4』と強行突破をしてしまうしかない。
そしてわざわざ製作された『オーメン4』では、どんな恐怖が待ち受けているのだろうか。
残念ながらダミアンを少女に変えただけで、何も変わっていない。
いや変わってないどころか、もうネタ切れで、全てにおいて第1作目の『オーメン』に勝てる要素はなく、絞りカスを観ているような感じである。
主役の少女も全然魅力的ではない。
ミステリアスな少女をキャスティングするか、めちゃくちゃ可愛い少女をキャスティングした方が良かった。
確かに平凡でどこにでもいそうな少女が「実は悪魔だった」というキャスティングも理解出来るが、2時間近くの物語を引っ張るのには役不足であることは否めない。
悪魔の少女である「ディーリア」が魅力的であれば、もう少し映画に華が出たのではないだろうか。
前作以上に面白いものを作るという意気込みを感じることも出来ないし、惰性と妥協で作られた続編であることが見透かれてしまっているのだ。
ディーリアがダミアンの子供であったという真実を知ったとしても、ダミアンの劣化版であれば何の意味もない。
第1作目が名作であったために続編を作り続けることは困難であるのは百も承知だが、ガッカリし続ける続編の製作に「悪魔の仕業かもしれない」と考えを巡らしては「オーメン」の恐怖に震えあがるのであった、ってなところで「カット、カット」。
この記事へのコメントはありません。