みうらじゅんさん&いとうせいこうさんの「ザ・スライドショー」の映画を観たのだ。
『ザ・スライドショーがやってくる! 「レジェンド仲良し」の秘密』 心底信頼し合える二人。 ボケとツッコミの『ザ・スライドショー』。 監督:伏原正康 出演:みうらじゅん いとうせいこう スライ |
みうらじゅん&いとうせいこうのトークショー『ザ・スライドショー』が20周年を記念して映画化。
みうらじゅん、いとうせいこうが「スライドショー」20年のを歴史を語る。
WOWOWが撮りためた貴重な未公開舞台裏映像と、みうら・いとうの撮り下ろしインタビューで、過去を振り返り、そして未来を語る爆笑ドキュメンタリー。
2017年製作/94分/G/日本
配給:日活/WOWOW
みうらじゅんといとうせいこう、スライ(スライド機)からなるユニット「ROCK’N ROLL SLIDERS(ロックンロール・スライダーズ)が1996年ラフォーレ原宿で最初のギグを行なってから20周年を迎えた。
舞台の上には二人だけ。スクリーンの前で交わされる変幻自在かつ自由奔放なトークセッションは、日本武道館公演まで規模を拡大しながらも、20年間変わらないスタイルで観客を爆笑の渦に巻き込んできた。
スライド、トーク、そしてロックンロールが三位一体となった『ザ・スライドショー』は、いかにして生まれるのか秘密が遂に明かされる。
最近YouTubeで山田五郎さんのアートのチャンネルを観ていて、みうらじゅんさんとのトーク回が面白く、その影響でみうらじゅんさんの動画も漁るようになった。
みうらじゅんさん&いとうせいこうさんで開催される『ザ・スライドショー』イベントについては今まで知ることもなかったが、「映画化?」されているということで観てみることに。
映画とは銘打っているが全然映画感はない。劇場公開をして映画として作品を残すことで、『ザ・スライドショー』の認知にも繋がっていくと思われるが。
本作では二人の『ザ・スライドショー』20年間の軌跡と裏側がインタビュー等を交えて知れる作りだ。
「みうらじゅん」さんと「いとうせいこう」さん(平仮名が多くて読みづらい)の仲がとても良くて、お互いが意思疎通の出来る欠かせない存在になっている。
漫才コンビで言えば、みうらじゅんさんがボケで、いとうせいこうさんがツッコミ。阿吽の呼吸がリズミカルに刻まれ、軽妙なトークが冴えわたる。
漫才コンビのようではあるが、お笑いを生業としている本当の漫才コンビであるなら、練られたネタを見ているようで面白味に欠ける。漫才コンビではない二人だからこそ起こる化学反応が面白い。
『ザ・スライドショー』の良いところは、二人が即興で繰り広げる掛け合いにある。みうらじゅんさんが仕込んできたスライドを、初見のいとうせいこうさんが素直に受け、ツッコミを入れ、時には大笑いしながら転げる。その時の空気感や現場の雰囲気を肌感覚で察知することで、新鮮な笑いが巻き起こるのだ。
会場の笑い声を聴いていて驚いたのが、意外に女性のお客さんが多いことである。
勝手な先入観であるが二人の話すトークや世界は、9割方男性ファンであると思い込んでいた。サブカルというジャンルでマニアックな男性が喜びそうな題材を扱い、面白おかしく披露していると思われたが、会場には女性ファンが多数見受けられる。
美男子二人のトークならまだしも、オジサン二人のトークを喜んで聴いているのは失礼ながら驚いた。
みうらじゅんさんが独自の視点で切り取った日常風景の「おかしなモノ」は、いとうせいこうさんというフィルターを通して更に一層愉快になる。
二人のインタビューでも彼らが互いを信頼し心底特別なパートナーとして思い合っているのがわかる。みうらじゅんさんは喜んでもらえるスライドをいとうせいこうさんのために準備して、いとうせいこうさんは面白おかしくなる最高のツッコミをみうらじゅんさんに反応しようと感度を上げてきている。
近場で『ザ・スライドショー』が開催される機会があれば是非とも会場に足を運び、生で体験してみたいと思った、といったところで「カット、カット」。
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