今回の詩画作品は金剛力士像を描いた。
金剛力士像とは仁王像とも呼ばれ、寺院の境内を守り門の左右に阿形・吽形の一対で安置されている。
有名なのは奈良県東大寺南大門に安置されている金剛力士像であろう。
運慶と快慶の代表作でもある。
奈良県出身の僕としては馴染み深いものであるが、最近まで意識することはなかった。
アート作品に触れ、仏像等の知識を好んで得ようと思ってから、金剛力士像の魅力に気付かされることになる。
仏像には余り興味はないが、みうらじゅんさんの仏像愛を聴くのは楽しい。
仏像は幼い頃から、少し怖い印象があるのだ。仏様の像なのだから怖いわけはないのだが、仏像を前にすると表現し難い緊張感がある。
ニュース等で仏像を盗難する不届き者がいることを目にするが、僕にとっては信じられない。易々と手を触れることさえ、はばかられるのだ。
金剛力士像については単純にカッコイイと思ってしまう。筋肉の鎧に纏われ力強く堂々と立つ姿は、美しくカッコイイ。
運慶と快慶の代表作である金剛力士像は、800年以上も昔の作品で8mを超える巨像だ。
金剛力士像のフォルムで好きな箇所は、筋肉質な身体にボテッとした腹部である。「力士」と名が付くので、腹部は少し出ているのかもしれない。それでもパンパンに膨れた腹部は硬そうで、贅肉ではないだろう。
張り手なんてされた日には、宇宙の彼方まで飛んでいってしまうのではないか。
そんな金剛力士像を今回は描いてみたくなったのだ。
【金剛力士像】
「自分になれ」 33.3×24.2 麻紙 墨 顔彩 |
当初は縦向きで描こうと考えていたが、阿形と吽形の絵の配置、書の配置を考えると横向きで構図をまとめた方が良いと判断した。
阿形のどアップと逆さまにした吽形を描いたのは、二体を正面で描いても面白くないと思ったからだ。画力のある人が二体正面の絵を描けばカッコイイのは想像出来るが、遊びゴコロを入れた絵で自分なりのオリジナリティーを出すべきだと。
また金剛力士像もここまでカラフルにするつもりはなかったが、結果、多くの色を使いカラフルな金剛力士像に仕上げた。
独創的な絵と墨を使った書を添えることで、他に類を見ない作品にすることを心掛けている。
描きたいモチーフはまだまだ尽きることがない。自分なりの表現で、自分にしか描けない作品を創っていきたい。
「本気な 自分になれ
好きな 自分になれ
憧れた 自分になれ
他の誰でもない
もっともっと 自分になれ」
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