『シン・ウルトラマン』を観に行ってきたのだ。
『シン・ウルトラマン』 前半は良かったが後半はイマイチ。 シンプルで壮絶なバトルが観たい。 監督:樋口真嗣 出演:斎藤工 , 長澤まさみ , 西島秀俊 |
1966年の放送開始以来、日本を代表する特撮ヒーロー「ウルトラマン」を、『シン・ゴジラ』の庵野秀明と樋口真嗣のタッグで新たに映画化。
庵野が企画・脚本、樋口が監督を務める。
主人公・神永新二を斎藤工、その相棒の浅見弘子を長澤まさみが演じ、禍威獣対策組織のメンバーを西島秀俊、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、早見あかり、田中哲司らが演じる。
2022年製作/112分/G/日本
配給:東宝
謎の巨大生物「禍威獣(カイジュウ)」が次々に現れ、その存在が日常となった日本では、政府が禍威獣対策の専従組織・通称「禍特対(カトクタイ)」を設立。
田村君男(西島秀俊)を班長に、様々な分野のスペシャリストから成るメンバーが任務に当たっていた。
ある時、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため、禍特対には分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)とバディを組む。
ウルトラマンについては詳しくなく、子供の頃にテレビ放送で楽しんだぐらい。オモチャ等は持っていたと記憶するが。
賛否に分かれる本作ではあるが、自分の中では賛も否もどちらもあるなぁというのが印象で、簡単に言い表すなら前半は物凄く良かったが後半はイマイチであった。
前半での禍威獣(カイジュウ)の出現や、奇妙なウルトラマンの登場は凄く良かった。ウルトラマンと禍威獣が戦うシーンも見応えがあり、この先の展開にワクワク期待したのだ。
奇妙なウルトラマンも良かったし、単純に暴れ回る禍威獣が良かった。
メフィラスの登場シーンも昔のウルトラマンを観ているようで嬉しくなった。山本耕史もハマリ役で名演技、外星人として違和感ない。
前半の禍威獣とのバトルやメフィラス登場等が非常に良かったので、後半のゼットンとの対決については盛り上がらなかった感があるのが残念。
宙に浮いているだけの巨大なゼットンに勇敢に立ち向かうウルトラマンは素敵だが、肝心なバトルは面白味がない。
やはり見たいのは地球上でウルトラマンとゼットンが壮絶に殴り合い蹴り合ったりする、子供が大喜びするようなシンプルなバトルが観たいのだ。
テレビ放送で観ていた昔のウルトラマンと怪獣のバトルの醍醐味を、ラストのゼットンで大いに盛り上げて欲しかった。
頭脳戦みたいな戦い方ではなく、『ドラゴンボール』のような単純明快さ。悟空とフリーザのような。強い敵に立ち向かい壮絶なバトルを繰り広げる、それでイイのだ。
禍威獣も大事だが、同時に人間も描かなければならない。
約二時間の映画で人間模様を深堀りするのは難しく、斎藤工と長澤まさみのバディ感もイマイチ伝わりづらい。本来なら何話にもかけて築いていく二人の関係が、映画だけでは追いつけないのである。
斎藤工と長澤まさみの関係性がただ業務的なバディなのか、恋愛感情を抱いた二人なのか、中途半端な見え方になってしまっている。
禍威獣対策組織のメンバーも深く描ききれずにいたが、本来ならば彼らの一人一人が活躍するドラマがあることで大いに物語の深みを増すはずなのである。
気になる点はあったが、約二時間で全てを詰め込んだのは凄いこと。カメラアングルも非常に面白く、実相寺昭雄監督のオマージュが活かされていた。
禍威獣とのバトルはもっと観たいなぁと、思ったところで「カット、カット」。
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