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最近観た映画4本。コワイ暴力描写『ヒーローショー』とロッキー健在。

近、映画の感想ばかり書いているが、どうも毎日映画を観たくて仕方がない。

20年前は一日一本観ていたが、ここ10年以上はあんまり映画を観ていなかった。

その反動が来た。

さて、今回の映画レビューいきます。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
難題に挑んだ映画。
カッコ良さとチープさが入り混じる。
監督:樋口真嗣
出演:三浦春馬, 長谷川博己,水原希子, 本郷奏多, 三浦貴大

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巷では酷評ばかりで、ちょっと可哀相になってくる本作。

個人的には原作漫画を一巻ぐらいしか読んでいないので、原作への思い入れはない。

しかし実写化するには難しい題材であることは間違いない。

酷評ばかりの中で本作をフォローするならば、その難しい題材に挑んだということを評価したい。

例えば簡単な算数のテストで90点を取るのか、難しい数学のテストで30点を取るのか。

ネコふんじゃったをピアノ演奏するのか、モーツァルトをピアノ演奏するのか。

ヤリマンのブスを口説き落とすのか、高嶺の花の美女を口説き落とすのか。

『進撃の巨人』の実写化というのは明らかに後者の選択肢であり、難題に挑んでいるのだ。

誰が撮っても高得点を取るのは安易ではない題材で、誰が撮っても酷評になる可能性が高い。

カッコイイ世界観もあるにはあったが、ズッコケるようなチープさもあった。

巨人の実写というのは難しく、漫画で見る巨人と違い、ただただ気色悪い巨人というか、白塗りの人間が暴れていただけ。

人間が暴れているだけだから巨人には見えない。

気色悪い人間にしか見えないのだ。

巨人を一本背負いするシーンもギャグであったし、子供っぽいことで言い争ったりケンカする人間ドラマに、共感や感情移入が出来ないところもあった。

今回まだ前編しか観ていないが後編を観るかどうか、悩ましいところである。

 

『ヒーローショー』
前半の暴力描写が最高。
ジャルジャル後藤の演技が凄い。
監督:井筒和幸
出演:後藤淳平(ジャルジャル),福徳秀介(ジャルジャル), ちすん

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前半の暴力シーンが最高だった。

ずっと緊迫感があって、この先どうなるんだろうという恐怖があった。

キャスティングも素晴らしい。

ジャルジャルもいい。

特に後藤は本当に怖かった。

お笑い芸人であることを想像できないほど、素晴らしい演技力だった。

また鬼丸兄弟という兄弟が登場するのだが、これもお見事。

こういう人達いるなぁ、関わりたくない人達だなぁ、とリアルに感じた。

鬼丸の兄貴が暴力を受けながらも弱音を吐いたりせずにツッぱっていたところは、個人的に好感が持てた。

後半は人間ドラマが描かれているが、あまりにも前半部分がよく出来ていたので、この人間ドラマはもう少し短縮して欲しかった。

後半も引き続き、前半の恐怖感のまま疾走して欲しかったのだ。

それほど暴力描写がうまく描かれていた。

好きな映画であるには間違いない。

 

『東京無国籍少女』
センスを見せつけようとしているが、
逆効果の意味不明映画。
監督:押井守
出演:清野菜名, 田中日奈子, 吉永アユリ, 花影香音

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なんか登場人物が全員わけわからんヤツらだった。

教師も保険医もいじめっ子も、「は?」みたいな存在。最後まで観てもわけわからんかった。

物語よりもセンスで描こうとしているのはイイが、音楽の使い方に凝っているつもりなんだけど、映像と全然合っていないから退屈になる。

せっかくの戦闘シーンも音楽の使い方で台無しになった。

物語の頭からケツまでクラシック音楽を流していても逆効果である。

自主制作映画の作品を押井守がリメイクしたようだが、アマチュアの自主制作映画ならこれで良い。

アマチュアの自主制作映画ならば、物語よりもセンスで撮っていい。

どんなに凝った物語も素人の演技では引き込むことに無理がある。

物語は甘くても、センスで見せてくれた方が苦痛なく見れたりするものだ。

だが本作は物語がわけわからん、登場人物もわけわからんので、最初から最後までわけわからん映画であった。

キャッチコピーには「驚愕のラスト15分」とか書いてるけど、これも不要。

「ラストの大どんでん返し」とか、「ラストに感動の涙」とか、「ラスト5分、意外な結末が」とか、いやいや、それ先に言うたらアカンやん!

ラストに何かあるんやろ?って身構えてしまうし、「意外な結末」があると知ると、それは「意外じゃなくなる」やん。

ま、わけわからん映画でした。

 

『クリード/チャンプを継ぐ男』
受け継がれるロッキー物語。
安易に勝利しない優れた脚本。
監督:ライアン・クーグラー
出演:アンソニー・ベリュー, マイケル・B・ジョーダン,フィリシア・ラシャド, シルベスター・スタローン

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さすが『ロッキー』シリーズ。

『ロッキー』の素晴らしい点は、ロッキーが哀愁漂う男である点と、キャスティングに美男美女を使わず、ヒロインのエイドリアンでさえブスな点だ。

そして主人公が試合に「勝つか?負けるか?」わからないことだ。

『ロッキー』シリーズでは平気で主人公が試合に負ける。

他の映画のように主人公が安易に勝利を収めない。

胸を熱くする、いい試合を見せてくれる。

ロッキーのライバルで友人であったアポロの息子をロッキーがコーチをすることになるが、すごくよく描かれていた。

物語もさることながら、映像も音楽も格好良く演出していた。

年老いたロッキーの哀愁がたまらない。

無名だったスタローンが自身で監督・脚本・主演をして『ロッキー』でアメリカンドリームを掴んだように、長編を撮ったことのない監督が『クリード』を撮らせてくれと懇願してチャンスを掴んだという、その背景にも胸を打つモノがある。

まさに映画の内容とリンクしている。

ボクシングという拳ひとつでチャンスを掴んでいくというドラマは、心を熱くさせてくれるものなのだ。

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