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塚本晋也監督『斬、』、舞台挨拶に行ってきたのだ。

11月24日に立川にて塚本晋也監督『斬、』を観てきたのだ。



 
立川で舞台挨拶もあるということで前々から心待ちにしていた塚本晋也監督の『斬、』を観賞。

8月に塚本晋也監督の『野火』を千葉まで観にサイン会も参加して初対面。まさか今年中に二度目の塚本晋也監督を拝見出来るとは思わなかった。

 

斬、

 
塚本晋也監督の時代劇となれば、そりゃあ楽しみで仕方ない。

予告編の泥まみれになっている侍を観て「おっしゃ!!」と喜んだ。その時代に生きて、その時代を体験している者は現代に存在するわけもないが、テレビで観る時代劇は何だがキレイで嘘くさい。もっと泥まみれで、無精髭を生やしていたりするはずだから。刀と刀で斬り合うことは、キレイな画(え)ではない。

『斬、』は、泥まみれ、汗まみれ、血まみれで、映像描写が最高にエモーショナルなのだ。

刀と刀で斬り合うことで、腕が飛んでいったり、血しぶきが上がったりするのは当然の光景なので、そのリアルな描写を塚本晋也監督はキッチリと表現してくれていた。もちろんエンターテイメントなのでグロい表現をせずにキレイな世界を描いてもイイのだが、僕が欲している時代劇はまさに塚本晋也監督の時代劇である。

勝新太郎の映画『座頭市』では斬られた鼻が吹っ飛んで柱に「べちゃっ」とくっつくシーンが非常に好きなシーンで、時代劇ではグロさの細かい表現が虚構の世界にリアルを生むのだ。

役者陣の顔も素敵だ。中村達也さん率いる連中の顔つきが素晴らしく良かった。

黒澤明監督の映画の時代劇も、やはり役者の顔がとてつもなくイイ。

迫力ある顔を持った武骨な役者は現代ではなかなか存在しないが、『斬、』では迫力ある顔が並び、自分が観たかった時代劇がそこにあったのだ。

壮絶な斬り合いも緊張感と臨場感に溢れ、最高に良かった。

人を斬ることが、また人を斬ることに繋がり、人を斬るということが、あまりにも虚しく連鎖していく。

刀を握り、刀を見つめて、やがて狂気と化する池松壮亮さんの内面から湧き出てくる繊細な演技が素晴らしい。

あまりにも理不尽で残酷な現実を目の当たりにして次第に心が壊れていく蒼井優さんの演技も、観る者の心にじわじわと迫ってくる。

『斬、』は心の内側に迫ってくる映画だ。まるで刀の刃先を目の前に向けられて「お前どうする?」と自分に問われている感覚に陥るのだ。

 

舞台挨拶

 
横浜での舞台挨拶を終え立川に向かっていたのだが、まさかの渋滞にハマッてしまったらしく、舞台挨拶に間に合わないとのこと。電話の音声を劇場で流し観客に話しかけるという珍事が起こり、それはそれで面白かったが、場所を変え別時間で舞台挨拶をする流れに。

印象に残った話は、池松壮亮さんが「『斬、』は反戦映画だと思っている」という言葉で、戦場の恐ろしさを本作では感じ取れる。

また池松壮亮さんが塚本晋也監督のファンでマネージャーを通して監督に連絡を取ったら、実はその時ちょうど塚本晋也監督は時代劇を池松壮亮さん主演で考えていたという。見事な相思相愛っぷりだったのだ。

監督が撮影したい時期と池松さんのスケジュールがピッタリと空いていた、そんなミラクルが巻き起こり『斬、』は完成。実はミラクルではなく必然的に導かれ引き寄せられたのだなぁと思う。

写真撮影もOKで帰りはキャストがお客さんと握手してお見送りをしてくれるというサービスっぷり。アクシデント付きの貴重体験であった。

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