以前に岩井俊二監督によるアニメ映画『花とアリス殺人事件』がとても良かったので、『花とアリス』を鑑賞。
やはりこの世界観はとても好きなのである。
『花とアリス』 岩井俊二監督の世界観が美しく、 おとぼけた2人の存在が素晴らしい。 監督:岩井俊二 出演:鈴木杏,蒼井優 |
ウェブで配信されていた岩井俊二監督作品のショートフィルムの劇場公開版。
恋に揺れる2人の少女、ハナに鈴木杏、アリスに蒼井優が扮している。
2人の少女に翻弄される宮本を郭智博が演じている。
ルー大柴、アジャ・コング、伊藤歩、中野裕之監督、叶美香、テリー伊藤らの豪華ゲスト出演。
ショートフィルムでは描かれていないエピソードも多数。
『リリイ・シュシュのすべて』の岩井俊二監督が、脚本、音楽、編集も担当。
2004年製作/135分/日本
配給:東宝
幼なじみのハナ(鈴木杏)とアリス(蒼井優)。
ハナは落語研究会に所属する高校生・宮本(郭智博)に一目惚れをして同じ部活に所属し、宮本に近づこうとする。
そして「あなたは記憶喪失です」と嘘をついたハナは宮本と急接近していくが、嘘がバレそうになって、さらに嘘をつくはめに。その嘘がきっかけで宮本がアリスに恋心を抱いてしまう。
岩井俊二監督が紡ぎ出す世界観は何故にこんなに美しいのだろうか。
以前、岩井俊二監督のアニメ映画『花とアリス殺人事件』を観て、すごく面白かったので実写版の本作を観ようと思っていた。
ハナとアリスのおとぼけた感じの名コンビが憎めない存在で非常にイイ。
2人のやっていることはコメディーっぽく見せているが、かなりの極悪非道である。頭をぶつけて倒れた宮本先輩を「記憶喪失」だと嘘をついて、「私と付き合っていたこと忘れたんですか?」とムチャなことを言う。それを信じてしまう宮本先輩もかなりのアホなのだが、2人の悪行はとても恐ろしいものである。
だが2人を憎めない存在として描き、観ていて可愛らしい存在にしてしまう岩井俊二監督の演出力が素晴らしい。
騙されている宮本先輩のおとぼけ感もハンパなくて、自分を記憶喪失だと思い込んでいる。
そして、岩井俊二監督はどうしてここまで美しく素敵な世界観を描けるのだろうか。
岩井俊二監督でなければ、これほどまでに美しい世界観と、愛される登場人物は表現出来ない。
もっと『花とアリス』シリーズを観たいが、鈴木杏も蒼井優も初々しい学生を演じる世代ではなくなってしまったので残念である。大した事件があるわけではないのに、何故か魅了される岩井俊二ワールドのオススメの一品である、ってなところで「カット、カット」。
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