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映画『CUBE 一度入ったら、最後』ネタバレ・あらすじ・感想。

『CUBE』の日本版リメイクを観たのだ。

『CUBE 一度入ったら、最後』
トラップ発動ルールが曖昧。
手汗握るスリルがない。
監督:清水康彦
出演:菅田将暉岡田将生

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予告編

 

 

解説

 
低予算ながら世界的ヒットを記録したヴィンチェンゾ・ナタリ監督の『CUBE』の日本版リメイク。

『CUBE』
監督 ‏: ‎ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演 : ‎モーリス・ディーン・ウィント, ニコール・デボアー, デヴィット・ヒューレット

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齊藤工プロデュース作『MANRIKI』を手掛けた映像クリエイターの清水康彦が監督。

菅田将暉、杏、岡田将生、田代輝、斎藤工、吉田鋼太郎らが出演。

2021年製作/108分/G/日本
配給:松竹

 

あらすじ

 
見知らぬ立方体の中で目を覚ましたエンジニアの後藤裕一(菅田将暉)、団体職員の甲斐麻子(杏)、フリーターの越智真司(岡田将生)、中学生の宇野千陽(田代輝)、整備士の井手寛(斎藤工)、会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)は、それぞれに接点もなく、何故ここにいるのかも分からない。

彼らは脱出をしようと四方に繋がる他の立方体空間を移動していく。

随所に仕掛けられた熱感知式レーザー、ワイヤースライサー、火炎噴射といった殺人的トラップをクリアしていかなければならず、暗号を解き続ける。

 

感想

 
オリジナルの『CUBE』を観たのは遠い過去で「面白かった」印象はあるが、殆ど覚えていない。リメイクされた日本版をオリジナル版と比較せずに観ていくことにした。

邦画のキャスティングについては毎度疑問を抱くのだが、吉田鋼太郎さん以外は全員美形であるのが気になる(吉田鋼太郎さんには失礼だが)。

菅田将暉、岡田将生、斎藤工というイケメンを揃えることへの違和感。

心に傷を負った者たちが集められたような空間の中で、彼らが「生と死」に向き合い、他者と助け合いながら不条理なデスゲームをクリアしていく姿に手汗握ることが本作を楽しむ醍醐味だ。

デスゲーム系の映画で重要なのは次から次へと人が無惨にも死んでいくことである。

冒頭で柄本時生がトラップによって命を落とすシーンは良かったが、菅田将暉チームの連中が一向に死なないのはサービス精神に欠ける。

もう二人程登場人物を増員して、「CUBE」のトラップで呆気なく死んでいくシーンがあれば良かった。

目の前で人がいとも簡単に死んでいく姿を目の当たりにするからこそ、自分たちの状況下に恐怖感や絶望感が生まれ、これからの物語に緊迫感が演出されるのではないだろうか。

トラップから逃げ出せることも意味不明だし。

キャスティング以外で邦画での悪いクセが出たのは、テンポが悪くなるところ。

「CUBE」という絶体絶命の空間の中で必死に生き残ろうとする姿が、観ている者の心拍数を上げハラハラドキドキするはずなのだが、テンポが悪くて心拍数は上がるどころか、お茶を飲みながら休憩して「ねぇ、まだ?」と余裕をぶっこいてしまう状態。

テンポが悪くなる最大の要因として、「感動もしない人間ドラマ」を盛り込んでくることが挙げられる。

岡田将生や吉田鋼太郎みたいにキャラクターを見せる程度で描写する分にはイイが、菅田将暉の回想シーンを長々と見せたところで「どーでもいいんだけど、まだ?」と寝転がって欠伸をしてしまう始末なのだ。

目の前で飢えたライオンが迫ってきた時に「今」を生きるのに必死で「過去」のことを回想したりする余裕がないように、生き延びて脱出することに必死な状況下で何度も「過去」を回想出来るのは余裕な証拠である。

フリーターの岡田将生がコンビニバイトで「いじめ」を受けているキャラにも無理があった。岡田将生レベルのイケメンがコンビニでバイトをしていたら、スタッフにもお客さんにもモテモテだと思うが。よっぽどの無能としか考えられない。

トラップが発動せずに岡田将生が菅田将暉の首を絞めるシーンで、「CUBE」空間の照明の色が岡田将生の感情に合わせて変化するのが印象的で面白くはあったが、「長いなぁ。トラップ発動しろよ」と同時に脳裏をよぎるのも事実。

回想シーンを削り、スリル満載で汗だくになりながら繰り広げる脱出劇を描くことに特化すれば、もっと楽しめる作品になっていただけに残念である。

絶対にありえないが、中学生の男の子がトラップで命を落とし、出口の光に向かって歩いていくラストが吉田鋼太郎であったなら最高に大笑い出来た、といったところで「カット、カット」。

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