2020年、東京でのオリンピックの開催中止や伝染病の恐怖と重なって『AKIRA』が再注目されている。
実は僕は、この機会に初めて『AKIRA』を観たのであった。
『AKIRA』 大友克洋のこだわり、センスとカッコ良さ。 エネルギッシュな強烈な世界観。 監督:大友克洋 出演:岩田光央,佐々木望 |
近未来の東京を舞台に、漫画家の大友克洋が1982年から「ヤングマガジン」で連載した同名コミックを、大友克洋自らが監督を務めて1988年にアニメーション映画化。
製作期間3年、総製作費10億円、当時としては破格の歳月や労力をつぎ込まれたハイクオリティなアニメーションが国内外に多くの影響を与えた伝説的な一作である。
『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』の橋本以蔵が大友克洋と共同で脚本、『ダーティペア』『オバケのQ太郎 とびだせ! 1/100大作戦』の三沢勝治が撮影を担当。
1988年製作/124分/PG12/日本
配給:東宝
1988年7月、東京で核爆発が発生、第3次世界大戦が勃発。
2019年、ネオ東京では軍の指揮下で新兵器・超能力の研究が進められていて、キヨコ(25号)、タカシ(26号)、マサル(27号)ら永久幼年者はエスパーの実験体。
アキラと呼ばれる28号は超能力があまりに強大でコントロールが出来ないためにカプセルの中で眠らされていた。
職業訓練校生の鉄雄は友人の金田らとバイクで走っていたところタカシと遭遇して、避けようとしたが転倒して重傷を負ってしまう。
そして鉄雄はタカシと共に軍に連れ去られて、エスパーとしての訓練を受けた。
やがて恐るべきパワーを身につけた鉄雄は、周囲を破壊していく。自分にも軍にもコントロール出来ない。
その力はアキラにも匹敵して、またアキラを目醒めさせる危険も出てきたのだ。
鉄雄を止めようと、金田はゲリラのケイと手を結ぶがどうにもならず・・・。
「観よう、観よう」と思いつつ数十年、『AKIRA』を初めて観た。2020年、東京でのオリンピックが開催されないことなどで『AKIRA』が再注目されている機会に本作を観ることに。
「これは海外でも評価されるわぁ」と納得の世界観とカッコ良さだった。
大友克洋自身が手掛けたことあって、いちいちカッコイイ。
ネオ東京の街を疾走する金田のバイク、これだけで十分に強烈なインパクトと世界観を作り上げたのは凄い。
大友克洋のセンスで、こだわりにこだわって作品を作ったという気迫が感じられる。
あの大型版のコミックにしてみても、カッコ良さにこだわりがあるのだと思う。漫画のコマ割りに見られる映画のような疾走感、異常なまでのセンスと才能が溢れ出している。
チカラを身に着けたことで変貌していく鉄雄、コントロール出来ないほどの強大なチカラは街を破壊して人を吹き飛ばして、増幅していく。鉄雄と金田による大スケールな格闘シーンも素晴らしい。
新しくてセンス抜群でカッコイイ大友克洋のエネルギーが詰まった『AKIRA』、2020年の現代に観ることをオススメするってことで、「カット、カット」。
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