ちょいと感動系なニオイがプンプン漂ってきて、ジャンルとしてはあまり好きじゃないが、まぁアニメなら観れるかな。
これが実写だったら絶対に観ないけど・・・。
『聲の形』 全体的にはイイ映画だけど、 イラつくぜ、ベイビー! 監督:山田尚子 脚本:入野自由,早見沙織 |
週刊少年マガジで連載、高い評価を受けた大今良時の漫画『聲の形』を、『けいおん!』などで知られる京都アニメーションと山田尚子監督によりアニメーション映画化。
脚本を『たまこラブストーリー』『ガールズ&パンツァー』を手がけた吉田玲子が担当。
2016年製作/129分/G/日本
配給:松竹
小学生の石田将也は大嫌いな退屈から逃れる。しかし、硝子とのある出来事のために将也は孤立し、心を閉ざす。5年後、高校生になった将也は、硝子のもとを訪れることにし……。
ガキ大将だった小学6年生の石田将也は、西宮硝子が転校してきたことで、彼女に無邪気な好奇心を抱く。
自分の想いを伝えられず、すれ違い、分かり合えないまま、硝子は転校してしまう。
五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長した二人。
伝えたい想いを内に抱えていた将也は硝子のもとを訪れて、再会した二人は、今まで距離を置いていた同級生たちに会いに行く。
止まっていた時間が少しずつ動きだして・・・。
全体的にはとてもイイ映画であるので、こんなことを言っては身も蓋もないが、いじめのシーンやら何やらではイライラッときたのが事実である。
物語上必要不可欠な要素なので仕方ないのは重々承知なのだが、イラつくのである。
石田将也が小6の時に耳の不自由な西宮さんをいじめていたのだが、そのいじめ方が非常に腹立たしい。
男の子ならクラスメイトの女の子をからかうことは多分にある。いじめてしまうこともあるし、泣かしてしまうこともある。心とは裏腹にいじめてしまって、後悔が残ることもあるだろう。
でもこの石田という少年は、本当にクソイヤなヤツで根っからの腐ったろくでなしタコ野郎なのである。
そんな石田クンも自分がいじめられる立場になって、いじめられた相手の気持ちを理解するようになり、西宮さんに対しての罪悪感や謝罪したい想いでいっぱいになり、とても優しい高校生になる。
そんなに変わるもんかね?元々、根が優しい少年が悪ふざけの度が過ぎていじめてしまった経験ならば、次第に反省して謝罪したい想いが募るのもわかる。だけど、この石田ってヤツはかなりのクソミトコンドリア野郎だぜ。こいつは変わらねーよ。
それほど小学生時代の石田はサイテーだった。僕がクラスメイトだったとしたら引くレベル。「あれ?こいつのいじめの感覚には付いていけないわ」と思う。悪ふざけは僕もするが、耳が不自由なコの補聴器を取ったり捨てたりは、絶対しない。
この映画に出てくるウエノっていう女子も嫌いだ。めっちゃ性格悪い女子。強がっているだけかもしれないが、それでもキライ。
花火大会の夜に、浴衣姿の西宮さんが自宅のマンションから飛び降り自殺をしようとする。
美しい花火が上がる中、とても幻想的であり「自殺シーン」なんだけど美しく描いている。自殺を止めようと西宮さんに駆け寄る石田。そして転ぶ石田。「なんで転ぶねん!このドジ!」アニメとしては転ばせた方がハラハラドキドキ感が高まるので正解なのだが、転ぶ石田に僕の怒りがおさまらない。「そこで転ぶかね!」こんなに怒っている僕は、見事に感情移入していたのかもしれない。
途中、西宮さんの祖母が出てきてニコニコしている非常に優しいおばあちゃんなんだけど、次の瞬間、すぐに葬式になっちゃう。「すぐ死ぬのに何で出てきたんや!」って思っちゃう。ババア死ぬために登場しやっがたな!コンチキショー!
いや、でも全体的には凄くイイ映画だった。西宮さんの声を演じていた方も非常に良かった。
ラスト、石田クンが文化祭で、音を感じてポロポロと涙を流すシーンは非常に良かった。相手と一生懸命向き合おうとしていた耳の不自由な西宮さん。相手と向き合おうとしてこなかった石田クン、きっと耳を塞いでいたいたのは石田クンであった。文化祭の賑やかさ、生徒たちの笑い声、自分を慕ってくれている友だち、彼らの声が溢れんばかりに聴こえてくる。今まで聴こえていなかった、聴こうとしなかった「聲の形」だったのだ。
・・・・チャンチャンってことで、「カット、カット」。
この記事へのコメントはありません。