シリーズの過去作をしっかりと観ていないが、『エルム街の悪夢』のリメイク版を観ることに。
『エルム街の悪夢(2010)』 フレディは貧相なおじいちゃん。 リメイク版を作る意味はあったのか? 監督:サミュエル・ベイヤー 出演:ジャッキー・アール・ヘイリー カイル・ガルナー ルーニー・マーラ |
夢の中から人々を襲う殺人鬼フレディ・クルーガーの恐怖を描いた人気ホラーシリーズの第1作をマイケル・ベイ製作、ジャッキー・アール・ヘイリー主演でリメイク。
メタリカやグリーンデイ、ニルヴァーナやグリーン・デイなどのミュージック・クリップを手掛けるサミュエル・ベイヤーが長編監督デビューを飾る。
2010年製作/95分/R15+/アメリカ
原題:Nightmare on the Elm Street
配給:ワーナー・ブラザース映画
エルム街の若者たちは、赤と緑のストライプのセーターに顔のやけどを隠すフェドーラ帽、鉄の爪を持つ男(ジャッキー・アール・ヘイリー)の悪夢に一様にうなされていた。
ある日、夢を見た若者の一人が現実の世界でも殺されてしまって、殺人鬼から逃れるには眠ってはいけないと気付いた彼らだったが・・・。
そーいえば『エルム街の悪夢』を真面目にちゃんと観たことがなかった。
子供の頃、テレビ放送されていた時に何となしに観たことはあったが、しっかりと最初から最後まで観たことがなかった。
フレディという存在が一人歩きして作品を観ていなくても、映画の大体の雰囲気は掴んでいる気ではあった。
本作を観るにあたって初期の作品からじっくりと観ていきたいのは山々であったが、ネット配信されているリメイク版の本作に安易にかじりついてしまったのである。
本作を観て、先ず引っ掛かったのは「フレディの顔」の違和感。
2010年のリメイク版は貧相なおじいちゃんなのだ。
シリーズを通して、フレディの顔もコロコロ変わっているみたいだが、リメイク版でこの顔は受け入れ難い。
もっと迫力ある顔にして欲しかった。
悪夢の中でフレディに傷をつけられたことが、夢から覚めても傷が残っていたり、夢の中で殺されれば現実世界でも殺されてしまうという恐怖は、『エルム街の悪夢』そのものの重要なテーマではあるが、それにプラスアルファをしてシリーズで描いていくことは非常に難しいと思える。
そのリメイク版となれば、どうやって味付けを変えながら、「リメイク版としての価値」を表現していくか?は、とてつもなくハードルが高い。
コアな『エルム街の悪夢』ファンを唸らせて、かつ新規の視聴者に受け入れてもらうか?を考えることは、リメイク版を作る者にとって難しいものなのである。
過去作をしかりと観ていないので論ずる権利はないのだが、僕にはリメイク版を作った意味がわからなかった。
それでも一番良かったのはラストシーンである。ここで「悪夢から覚めることの出来ない恐怖」で終わってくれたので、それはまたリメイクされ続けていく作品であるのかもしれない。
過去作を含めて作品を追っていこうと思ったところで、「カット、カット」。
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