長きにわたり愛されて恐れられ続けるジェイソンの2009年に公開されたリメイク版を観た。
『13日の金曜日(2009)』 プラスアルファの面白さを作るのは難しい。 想定の範囲内から抜け出せない。 監督:マーカス・ニスペル 出演:ライアン・ハンセン ジャレッド・パダレッキ ベン・フェルドマン |
『テキサス・チェーンソー』のマイケル・ベイ製作&マーカス・ニスペル監督が再タッグを組んで、79年の名作ホラー『13日の金曜日』を新たな解釈で甦らせたリメイク作品。
TVシリーズ『スーパーナチュラル』でブレイクしたジャレッド・パダレッキが主演を務める。
ヒロインは『Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼』などのダニエル・パナベイカー。
2009年製作/95分/アメリカ
原題:Friday the 13th
配給:パラマウント
クレイ(ジャレット・パダレッキ)は行方不明の妹を捜していて、クリスタル・レイクのほとりで壊れかけた古い小屋を見つける。
彼は警察や地元の人々の忠告にも耳を貸さずに、ジェナ(ダニエル・パナベイカー)ら大学の友人たちと一緒に週末を湖のほとりで過ごすことにするが、やがて彼らの前にホッケーマスクをかぶった謎の男が現れる。
リメイク版ということで見てみたが、やはり想像範囲内の感じ。
散々シリーズで作られてきたモノだから、プラスアルファで新しくて面白いモノに仕上げるのは非常に難しい。
だからと言って、あまりにも斬新で奇抜なことをすると『13日の金曜日』の世界観をブチ壊してしまう。
キャンプ場で若者の男女を襲うという定番のスタイルに何をどうすれば「更なる面白さ」を作り上げることが出来るのだろうか?
グレードアップしていくというのは本当に難しい。
大体は前作の面白さに勝てずに「パート1が一番面白かった」と言われてしまう。
前作を飛び越えようと、やり過ぎると『貞子』シリーズみたいに取返しのつかないことになるのだ。さすがにジェイソンにクモ歩きなんてして欲しくないし、首がちょん切れて顔から手足が生えて襲って欲しくないし、巨大化して建物を破壊して欲しくない。
どうすればグレードアップした面白さを作れるのだろうか?
マシンガンをぶっ放したり、ダイナマイトを投げ込んだり、そんなジェイソンは見たくない。
だとすれば、やはり物語を作りこむしかないのだ。
ジェイソンをカスタマイズしたところで、逆に興ざめしてしまう。
アホ過ぎる若者の男女が襲われるという設定が、そもそも男女に感情移入出来ない。
もっとこいつらの背景に深いドラマを作り、ジェイソンと対峙させることでハラハラドキドキさせることが出来るのではないだろうか。
僕はいつだって『13日の金曜日』を観ながら、ジェイソンを応援しているのだ。とっとと全員始末しちゃいな!と思いながら観ている。
元々『13日の金曜日』はあまり好きではない。
全シリーズを観ていないので判断するのは良くないが、ジェイソンの母ちゃんが殺人鬼と化したパート1が一番好きで、その他の作品は襲われる連中が頭悪過ぎて、観ていて毎回イライラするのである。
リメイク版といったところで、それは変わらず、手汗握るような恐怖も何も感じなかった。
だからと言って、『13日の金曜日』が今後一切映画化されないとなると、それはそれでイヤなのである。NetFlixあたりでオリジナルドラマ化でもして、予算かけて物語を作り込んでみれば、グレードアップしたジェイソンを楽しめるかもしれない、と言ったところで「カット、カット」。
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