外出自粛期間延長が濃厚となったコロナ問題の渦中で、仕事や生活においてのオンラインとオフラインの在り方に変化が生じてきているが、アートやエンタメといった観点で僕は考えていく。
軒並みイベントやライブ等の中止、美術館や映画館等の休館によって、僕たちがリアルでそれらを楽しむ術がなくなり、オンラインによる楽しみ方を余儀なくされている。
主催者側やクリエイター側には大きな打撃であり、オフラインの場で活動していた人たちは、八方塞がりな状況である。
仮にコロナ問題が収束してオフラインでの活動が許可されたとしても、「何ごともなかったかのように」主催者側も観客も楽しめるのであろうか?
自粛による反動で大いに盛り上がることも考えられるが、そのまま以前と同じ感覚にはなれず、「次のウィルス等の非常事態」に備えておく必要は誰しもが考えておかなくてはならない。
オフライン一本を主軸として活動しているだけでは危険であるということが明らかになったのだ。
アーティストの音楽ライブがオンラインによる無観客ライブで成功した事例もあるが、全ての音楽ライブが「オンライン化」することはないだろう。
オンラインライブでのメリットは、世界中どこからでも参加が可能なので、会場による人数制限がなく、チケット枚数が爆発的に売れることや会場費や移動費、スタッフによる人件費の削減、ライブの演出等の諸々の経費が大幅に削減される。
またオンラインライブであれば、バーチャルの演出でド派手な花火を何発も打ち上げることも可能である。また投げ銭やグッズ等の販売も自由に行える。
オンラインライブを開催するにあたってのメリットは主催者側にしてみれば非常に大きい。赤字によるリスクはほぼない。
それでも観客は「エンタメの楽しみ方」において、それだけで満足出来るのだろうか?
やっぱり僕たちは生でアーティストの姿を見たいし、その息づかい、躍動感、ライブ会場による臨場感を体感したいのではないか。
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オンラインライブもイイがオフラインライブでの魅力も大いにあるのだ。
オンライン化すればするほど、オフラインでの価値は大きくなるのは当然の話である。「オンラインで十分」という理屈がまかり通るならば、海外旅行での観光地は「ただネットの画像や動画」を眺めていれば済むのである。
ピラミッドを画像で見るよりも、実際に現地で実物を拝むことに醍醐味があるのは周知の事実である。
外出自粛要請の中で、美術館では「オンライン美術館」を余儀なくされているが、当然のごとく実際の実物のアート作品を見たいに決まっているのだ。
アフターコロナの未来では、オンライン化が進むのは必須ではあるが、それはオフライン機能が停止した時の保険として主催者側も持っておく必要はあるが、完全にオンラインへ移行することはない。
無観客ライブによるパフォーマンスと、観客がいる前でのパフォーマンスでは、アーティスト側だって違ってくるものだ。
お客さんの笑い声が聴こえない「お笑いライブ」は、芸人にとってもやりづらい。
アフターコロナでは、オンラインとオフラインの両方を確立させて、どちらへも移行可能にさせていく必要がある。それの準備期間としてや、現在の行動によって、試行錯誤することが現在、大事な期間でなのである。
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