映画公開したばかりだと思っていた『AI崩壊』が、早くもDVDで観れるようになった。
『AI崩壊』 映像化するには難しい映画。 入江悠監督の確かな演出力。 監督:入江悠 出演:大沢たかお,賀来賢人,広瀬アリス |
『22年目の告白 私が殺人犯です』の入江悠監督が自身のオリジナル脚本でメガホンを取った、AIを題材に描いた近未来SFサスペンス。
大沢たかおが主人公・桐生を演じる.
賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、松嶋菜々子、三浦友和らが共演。
2020年製作/131分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
天才科学者の桐生(大沢たかお)が開発した医療AI「のぞみ」が、国民の膨大な個人データを基にして暴走。人間を選別して殺戮を始めるのであった。
人々はパニックに陥る中でAIを暴走させたテロリストと断定された桐生は逃走を図る。
しかし、警察のAI監視システムによって徐々に追い詰められていく。
一方、桐生の義弟で「のぞみ」を運営する企業の代表を務める西村(賀来賢人)は、事態の収束に動いているが・・・。
『22年目の告白-私が殺人犯です-』や『ギャングース』の入江悠監督作品が好きなので、映画として不安はなかったが、難しい作品に挑んだなという印象。
AIによって人類の働き方や生活が変わろうという節目の時代でもあるから、『AI崩壊』という社会的テーマの作品を作るならベストなタイミングである。
しかしながら映画の内容としては実に難しい。小説での原作があるが、小説は表現しやすいと思う。映像でエンタメとして見せていくのは、僕個人的には非常に難しいと感じる。
主人公の桐生という男がAIのプログラムをハッキングして狂わせた容疑者として警察に追われる身になるが、警察と容疑者という対立を描くのは確かに描きやすいのだが、「AI」が狂いだして暴走するという点は小説では面白くなるだろうが、映画の表現としては難しい。
入江悠監督だから上手く描いていたが、ヘタな監督が扱うと大事故になっていただろう。
僕はAIが作り出した未来というのは非常に素晴らしいと思った。人間にしか出来ないことはもちろんあるが、AIが人間の暮らしを豊かにしてくれるのは有難いことだ。
医療関係においても人手不足であったり人間の労働力への負担は大きいものであるが、AIをうまく活用することで医療の仕事もスムーズに行われる。
「手当て」というように、人の手を当てるというAIには出来ないことを人間には出来るが、賢く共存していけばいいのだ。
AIによって仕事が奪われてしまって暴動を起こす人たちが描かれていたが、あまりにも愚かである。
AIが人間の仕事を代わりにやってくれるというのは、素晴らしいことなのだ。
全ての仕事を人間による手作業でしていたら、それこそ「人間崩壊」である。僕たちの面倒な仕事をAIがやってくれるからこそ、僕たちは違う仕事を生み出したり別の遊びに興じることが出来るのだ。
結局はAIのせいにして自分たち「人間のスペック」を高めようとしない。それでも生活出来ないのら、遠慮なく生活保護を受給してもらおうじゃないか。
この難しい映画をキッチリと映像化してエンタメ作品に仕上げた入江悠監督は凄い。
エンディングテーマ曲で、歌手のAIさんを起用していたのもサービス精神とお茶目さがあって素晴らしい。
映画の中では「AIによる命の選別」が始まっていたが、もし仮に本当に「命の選別」が行われたならば、僕個人は「一瞬で抹殺」されるだろうということで、「カット、カット」。
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