20年ぶりにチャップリンの『街の灯』を観た。
『街の灯』
ベストワン映画。 監督:チャールズ・チャップリン |
『サーカス』に次ぐチャールズ・チャップリンの自ら原作脚色監督主演した作品。
カメラはチャップリン映画専属のローランド・トセローがゴードン・ポロック及びマーク・マークラットを助手としてクランク。
助演者はこの映画でデビューしたヴァージニア・チェリル、ハリー・マイヤース。『進めオリンピック』のハンク・マン、アラン・ガルシア等。
チャップリンは発声映画反対主義で擬音と伴奏楽のみを付してある。
本邦上映の分には日本字幕を挿入。
1931年製作/87分/アメリカ
原題:City Lights
世の中は不景気で、服装もみすぼらしく職もなく住むところもないチャーリーは、職にありつけそうもなく、毎日あちこちさすらい歩いてフーテン暮らし。
そんな彼が街角で花を売っている盲目の貧しい娘に恋をして、彼は彼女の目を治す為に、金を稼ごうと一大決心をする。
「ベストワン映画は?」という質問があった時、やはりいつも思い浮かび答えるのがチャップリンの『街の灯』であった。
しかし僕が『街の灯』を観た回数は少ない。初めて観たのが高校生の頃であった。チャップリンの映画をひたすらに見まくっていて、僕はチャップリンが大好きであったが、『街の灯』を観た時の感動は大きかった。
恐らく20年以上ぶりに『街の灯』を観たが、凄まじく名作である。
ボクシングシーンでの笑いも最高だし、富豪の家に強盗が入ってからのチャップリンが強盗犯に疑われてしまうシーンでの光と影による演出も最高だった。
ひとつのコメディー映画の中で、切なさがふんだんに散りばめれている。笑えるのに、どこか胸をキュッとさせるチャップリンの憎らしい演出に心奪われてしまうのである。
そして、何といってもラストシーン。今までのシーン全てがこのラストシーンひとつに向けられて、たった一言、二言の言葉と眼差し、表情で、とてつもない感動で心揺さぶられるのだ。
ラストシーンを知っていても、危うく僕も涙しそうになった。
90年前に作られた『街の灯』が、今もなお僕の心を灯してくれるのである。
チャップリンのは最高である、といったところで「カット、カット」。
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