僕が昔から一番撮りたかったのが、チャップリンやキートン、ロイドのようなコメディー映画なのだ。
しかし、彼らの時代のようなカタチで映像表現することは難しいと長年思っていた。
モノクロでのサイレント映画、しかも日本を舞台にしたコメディー映画となると描くことは難しい。
それでも「いつか撮りたいな」と思っていたが、まさか一人で撮影して作品を作るとは自分でも思っていなかった。
やはり色んな登場人物がいるからこそ繰り広げられるドタバタ喜劇だからである。
そして、チャップリン映画でお馴染みの警察官とのドタバタ劇は今回の作品にも取り入れたかった。
一人でするのには動き回ることに限界も感じるのだが、やってみる。
もっと自由にドタバタと動き回り、その建物を活かして小道具などを扱い、ぐるぐる動き回れたら面白い。昔のドリフターズのコントみたいに。
ドリフのコントを見たり、志村けんさんや加藤茶さんの動きを見ていると、「チャップリンだなぁ」と思うこともしばしばある。きっとドリフもチャップリンに影響を受けているはずである。
ヒゲダンスなんかはタキシードにヒゲを付けて、まさしくパントマイムで笑いを取り、チャップリンそのものである。
パントマイムで笑いを生み出して、とてつもなく繊細な切ない涙の物語を生むのは、チャップリンの圧倒的な凄さである。
また自身が素晴らしい喜劇役者でありながら、監督、脚本、音楽まで務める発想の豊かさとバイタリティーには驚かされる。
今回の作品を作るにあたってチャップリンの『街の灯』を久しぶりに観たが、流石に素晴らしかった。
言葉を語らないことによる視覚的なコメディーと、パントマイムで紡ぎ出される繊細な物語。
劇中の全て、そのひとつひとつが美しい。
どんどん心が動かされて、映画の中の「チャーリー」という愛する存在の虜になるのだ。
僕がチャップリンのようなコメディー映画を作るにあたって難しいと思ったのは、日本の風景もそのひとつである。
日本の街並みや住宅街では、なかなか僕のイメージする街並みはない。
あんまり日本を意識させないようなロケ地を選んだ。
昔から僕のやりたかったサイレント映画のコメディー映画、先ずは約3分の超短編。
タイトルもチャップリンの『ライムライト』を真似た。
また今回のようなサイレントのコメディー映画は作っていきたい。
それでは、『ライフライト』をご覧下さい。
『LIFELIGHT』
上映時間2分58秒 |
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