グルメドラマにハマり、『ゲキカラドウ』を観た。
『ゲキカラドウ』 激辛料理を通して若者の成長を描く素晴らしき脚本。 個性的なキャラたちがドラマのスパイスに。 監督:柴田啓佑 出演:桐山照史, 泉里香, 中村嶺亜, 森田甘路, 前川泰之 |
『孤独のグルメ』『忘却のサチコ』『きのう何食べた?』数々のグルメドラマを深夜の時間帯に放送してきた。
放送の度にSNSでは「飯テロだ」と話題を集めてきたが、ドラマホリック第5弾として、新感覚の激辛グルメコメディドラ『ゲキカラドウ』が誕生した。
「ゲキカラドウ」を真剣に追い求める一人の若者が、男として、仕事人として、一皮も二皮もむけていく成長物語である。
主演はジャニーズWESTの桐山照史。
泉里香、中村嶺亜、森田甘路、前川泰之、平田満が共演。
大阪が本社の飲料メーカー「ロンロン」の社員である猿川健太は、営業サポートでの実績が評価されて東京支社の営業促進室へ異動することになる。
だが一筋縄ではいかない辛口の営業先が多く、さらには営業促進室も個性的な濃いメンバーばかりで・・・。
猿川は激辛料理好きの谷岡室長の影響を受けて、彼が唱える「激辛道(ゲキカラドウ)」に目覚めていく。
『孤独のグルメ』をシーズン1から観始めてからグルメドラマの面白さにハマッてしまい、『絶メシロード』を観て、今回『ゲキカラドウ』を観た。
お試しのつもりで観てたが、なかなか良く出来たドラマで「激辛料理を食べる」というだけの物語ではなく、激辛料理を通して若者が仕事と向き合い成長していく過程がしっかりと描かれていて面白かった。
辛いものと対峙した時、その料理の出で立ちに恐怖心と好奇心を同時に抱きながら、決死の覚悟を決めて口に運ぶ。激辛が口の中から体中を駆け巡り、汗を流し寡黙に真剣な表情で立ち向かい、心の中で絶叫する。
主演を務める桐山照史も良かった。実際に職場にいたら本当に愛される人間だ。先輩にしても、後輩にしても、同期にしても、どの立場においたとしても優秀で嫌味のない頼れるヤツである。
爽やかで真面目ながらもユーモアがあり、人に優しく前向きで裏表のない純粋な男なのだ。
彼と一緒に働く同僚たちも、それぞれ愛すべき個性的なキャラで、全員が個々の光を放ちながらも一致団結している。
話を追うごとに、彼らの個性や背景が浮き彫りにされて、まさにスパイスの効いたヤツらなのだ。
また谷岡室長もイイ。ゆるい感じとあったかい人柄で、仕事や部下に対しても熱心で、理想の上司と言える。
「ゲキカラドウ」の素晴らしいところは、恋愛的な話もチラホラ出てくるのだが、成就せずに必ず恋の花びらが散ってしまうことだ。
女性一人を落とせないのに営業が上手く行くのだろうか?という疑問点も残るが、失恋を描くことの切なさがイイ。
お笑い芸人である「しずる」の村上さんが宅配の配達員で登場して、泉里香さんに一方的に想いを寄せており、最終的には二人が交際する展開になるのだろうと予想していたが、何も進展がないまま最終回を迎えるという素晴らしさ。
しかも彼女に向けてサービスで渡していた料理を、彼女が食べていなかったというガッカリ感を残したまま。
ヘタなラブストーリーにしなかった「ゲキカラドウ」に拍手である。
恋愛が上手くいったとしたら、激辛ではなく、むしろ甘いドラマになっちゃうのである。そんなのは「ゲキアマドウ」でもやってろ。
一話完結の物語で各話それぞれ、激辛というものを色んな見せ方で表現している。
激辛料理を通して、仕事へのヒントを得ながら営業での成約を取っていくという物語を作り上げる脚本の良さに敬服する。
「ゲキカラドウ」良かった。シーズン2が製作されることを期待したい、といったところで「カット、カット」。
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