酷評されていたが気になる映画『大怪獣のあとしまつ』を観たのだ。
『大怪獣のあとしまつ』 オヤジギャグ満載のつまらないコント。 二時間引っ張るのは無理がある。 監督:三木聡 出演:山田涼介 土屋太鳳 濱田岳 |
「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が主演の、巨大怪獣の死体処理を題材に描いた空想特撮エンタテインメント。
監督はドラマ『時効警察』シリーズの三木聡。
環境大臣秘書・雨音ユキノを土屋太鳳、ユキノの夫で総理秘書官の正彦を濱田岳、爆破処理のプロ・ブルースをオダギリジョー、総理大臣・西大立目完を西田敏行が演じる。
怪獣造形を「平成ゴジラ」シリーズや「ウルトラマン」シリーズの若狭新一が担当。
2022年製作/115分/G/日本
配給:松竹、東映
人々を恐怖に陥れた巨大怪獣が突如死んだが、巨大怪獣の死体は腐敗と膨張が進んでいた。
全長380メートルもの死体が膨張して爆発すれば国家規模の被害が生じるということが新たな問題になるため、死体処理にあたる特務隊員として3年前に姿を消した帯刀アラタ(山田涼介)が選ばれる。
爆発までのカウントダウンが刻一刻と迫る中で、帯刀は巨大怪獣の死体に挑む・・・。
映画公開時からSNSでは大酷評が並んだが、それはそれで気になっていた本作。「このラーメン不味い!」と言われれば食べてみたくなるのが人間のサガ。
ただ結論から言うと、そこまで大酷評映画ではなかった。「令和のデビルマン」とか何とかいわれていたが、実写版『デビルマン』の方が遥かに酷く足元にも及ばない。
先ず『大怪獣のあとしまつ』というタイトルだけでも面白そうではないか。確かに「大怪獣が死んだ後って、どうやって後始末しているんだろう?」って誰もが気になるところ。気になるところだが今まで考えたこともなかった盲点。「怪獣のウンコってどんなだろう?」ぐらいは考えていたが・・・。
しかし着眼点は良かったものの二時間の映画で引っ張るには無理が生じたのではないか。
「怪獣の後始末」を考えるのに二時間かけるのはしんどい。遠回りさせながら細かいネタを何個もぶつけて無理矢理引き延ばしていくのだ。
結果残念ながら「全然笑えないコント」が出来上がってしまったのである。
例えば、お笑い芸人が実際に「怪獣の後始末をするコント」を繰り広げたら、中々面白いものになっていたと思う。演劇でもイイのかもしれない。はたまた三木聡監督の特性を活かして深夜放送のドラマで繰り広げられれば、それなりに人気が出たような気もする。
「オヤジギャグ満載のコント」を二時間の映画で観せられるのは、やっぱりキツイ。
『シン・ゴジラ』のように「現在怪獣が迫ってきて対処しなけらばいけない」危機的状況ならば緊迫感も生まれるが、「怪獣の死体を撤去する」だけでは緊迫感も何もない。
ウンコ、ゲロ、チンコの小学生レベルのギャグも寒いし、全然面白くないのに引っ張る意味も分からない。余計なギャクがイチイチつまらない。
全身キノコの男の下半身に「違う種類のキノコが・・」と、全然面白くないボケを何度も繰り返すセンスのなさ。
環境大臣の「蓮佛紗百合」って何?全然面白くない。蓮舫と小池百合子をイジるのはイイが、イジるなら面白くしないと相手方に失礼になってしまう。また面白いと思ってやっていることが寒過ぎる。
酷評されるポイントも理解出来るが「大酷評レベル」だとは思わない。期待値が高かっただけに、ガッカリ感が大きかった。本作よりも、わんさか邦画には酷い作品があるはず。本作は注目されていたことで目立ってしまっただけなのだ。
怪獣の後始末をする発想は面白かったが思い付いたギャグが全て滑っていたのだぁ、といったところで「カット、カット」。
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