三作品をまとめて紹介。アートPVもあり。
今回は『天使鬼』『マック』『ハゲ野原』という三作を思いつきで描いてみた。
『天使鬼』と『マック』は以前のブログでも紹介したが、そこに『ハゲ野原』を加えてのアートPVも作成。
『天使鬼』は翼の生えた鬼のビジュアルで、赤ん坊をあやす天使の心と金棒でぶっ叩く鬼の心を描いた。
これは人間も同じと考え、誰かを憎む気持ちもあれば、誰かを一心に守りたい想いも兼ね揃えている。
一方で愛を語り、一方で人の悪口を言うのが人間。
人間関係の争いごとは絶えず、人は皆「天使鬼」のように優しい気持ちもあれば残酷な一面もある。
『マック』はPCのマックに、ハンバーガーのロゴを付けてマックだ。
マックなのにアップルでは変ではないか。
マックならハンバーガーであるはずだ。
『ハゲ野原』は焼け野原のように、ハゲた男の悲しみだ。
あれだけフサフサだった頭部の野原も殆どが枯れ朽ち果てた。
街も自然も生命も焼かれてしまった。何もない。
男はハゲ野原の上に突っ立ち、その悲しみに暮れる。
もう二度とあの頃のようなフサフサな日々には戻れないけど、これからはツルツルの人生を謳歌していくしかない。
少年の頃にあれだけ遊んだ野原はもうない。思い出も焼けて、いや思い出もハゲてしまった。
男はハゲてしまった思い出を追いかける。探しても探しても遠い夕焼けのように、いつまでたっても追いつけない。
毛髪が生えそろい賑わっていた日の楽しく優しい暮らしはもうない。
そこにあるのはハゲただれた野原があるだけ。
同級生と一緒に歩いていても、何故か自分が先輩に見られてしまう。
ハゲた寂しさは誰にもわからない。
今ある毛髪に感謝しないヤツは、いつか必ず毛髪に泣く。
生えていることが当たり前だと思うな。
生えていることは地球に緑があるぐらいに激しく尊い。
男はハゲ野原に立ち、複雑な感情を抱き感傷に浸りながら、涙を一筋垂らした。
涙はいつしか空から男の頭皮に落ちるだろう。
枯れた大地に水が染みわたる日が来ることを信じて、男はハゲ野原の上で祈りを捧げる。
死んだ毛根は生き返ることはないけれど、まだ復活出来る可能性を秘めた毛根もあるはずだから。
決して諦めないで、生きていきたい。
必ず芽が出て、立派に成長してくれるはず。
毛根の球根が息を吹き返して闘魂魂に火が付く。
だけども男が本気になり燃えれば燃える程に、野原はどんどん焼き尽くされ、結局はハゲ野原になるのだった。
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