矢沢永吉の名著『成りあがり』を読んだことがあるだろうか。
この本は矢沢永吉ファンでなくても読んでいただきたい。読み物としても非常に面白く下手な自己啓発本なんかを読んでいるよりも、ずっと刺激的に自分を奮い立たせてくれるのだ。『成りあがり』を読んだ人は僕と同様、胸を熱くして心を震わせて魂の炎をより高く燃やしたのではないだろうか。
僕は昔から自伝なるものが好きで、成功者のサクセスストーリーをよく読んでいた。
そして噂通り矢沢永吉の『成りあがり』は、とても面白く僕の人生で好きな本の一冊である。
『成りあがり』は何故面白いのか?矢沢永吉の何ともロックなサクセスストーリーはもちろんのこと、その秘密は永ちゃん特有の話口調にあるのだった。
例えば、
『ナメられちゃいけないと思ってるから、通るヤツ全部にガン飛ばしてさ。「おっ芸能人」なんて、内心じゃドキドキしてたけど、なにしろ九時だもんね。ずっと待ってるわけだから、いい加減にしろって感じだった。冗談じゃない。』
*角川文庫『成りあがり』215Pより引用。
ほんの一部のシーンだけど、わかるかだろうか?永ちゃん特有の話口調。これが何とも読んでいて心地良い。サクセスストーリーを、フツーの作文みたいにツラツラ書いてもつまらないのだ。
永ちゃん口調で、サクセスストーリーを語り出すと魅力が倍増する。
それが『成りあがり』の面白さを際立てる要素のひとつでもある。とにかくカッコイイ。矢沢の人生を語るのに、矢沢口調は必要不可欠、完全無欠のロックンロールなのである。
試しに自分の今日の一日を、永ちゃん口調で話してみて欲しい。先ずはフツーの文章。
「今日は仕事が終わってからスーパーに寄って、惣菜とビールを買って帰りました。帰宅してテレビを観ながら食事して、風呂入って寝ました。」
この何気ない日常も永ちゃん口調にすると、
「オレ、仕事終わりにスーパー寄ったわけよ。買ったのは惣菜とビール。最高。家帰ったら、テレビよ。で、飯食って風呂。後は眠るだけ。OK。」
というように途端に魅力が倍増する。これで今日から君も、気分は矢沢永吉なのである。
まるで自分が永ちゃんになったかのように『成りあがり』を読む。気に入らないヤツがいたらぶっ飛ばしてやろうか。なんか自分が強くなったような気になってしまう。それが『成りあがり』の面白さを倍増させる魅力なのだ。
ちなみに『アー・ユー・ハッピー?』もめちゃんこ面白い。
アイラブユーOK!
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