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出版社不況と悲観するのは、くだらない。

版不況、出版不況と言われていて、事実、売上データの推移は年々下がっているばかりだ。

そんなことは誰しもがご存知で、そんなデータ云々の話はどうでも良くないけど、どうでもいい。ビジネスには成長期があれば必ず、成熟期、衰退期があるものだから、そんなことを悲観していても仕方がない。

テレビ離れという言葉もあるが、単純に多くの興味あるメディアが増えたということもあるだろう。僕たちの暮らしの中で興味ある選択肢が増えたのだ。その現象自体は悲観することではなく、素晴らしいことであろう。

子供の遊びだってそうじゃないか?現代の子供たちが缶詰にヒモを通して、パッカパッカ鳴らして歩いているか?竹とんぼ作ってるか?広告の裏にすごろく作って遊んでいるか?作っている子供もいるかもしれないが、デジタル化すれば減少しているのは当たり前。子供たちの遊びの選択肢だって時代とともに増えたのだ。

メディアだってそうだ。しかし、そんな暗い話ばかりをしていても、この国と一緒で何も変わらない。むしろ悪循環になっていく。

不景気不景気とニュースで言い過ぎた。そんなネガティヴなニュースを聴けば、誰しもが金を使いたくなくなるものだ。金を使わず貯金すればするほど金の循環は悪くなり、この国の不景気は止まらない。

前置きが長くなってしまったけど、それでも僕は本が好きなのだ。本に時間を費やす時間は、昔に比べてたら減ったのは事実だ。仕事の休憩時間、電車通勤の時間、待ち合わせの時間、ちょっとした時間の隙間にでも本をよく読んでいた。

今では、その時間をスマホに費やしていたりする。それでも言いたいのは、本から受ける感動は特別なものなのだ。頭で読むというよりも、心で読んでいる。人の書いた文章を自分の心でなぞり、まるで人と対話したかのような気持ちになる。

人との出逢いのように、本との出逢いは素晴らしい。もちろん全ての本とは言わない。それには好みもあるし、自分の年齢や立場、状況もある。自分の知識の量もあるし、自分の感受性によっても本から受ける感動は違う。

芥川賞を受賞した又吉さんの『火花』が240万部売れたように、出版不況と言われている時代でも、それだけの作品が売れるということは、売れない言い訳を出版不況のせいだけには決して、してはいけないのだ。

アニメ映画『君の名は。』が、『もののけ姫』を超える大ヒットを記録しているように、やはり良質な作品は売れるということなのだ。もちろん良質だけではなく、話題性や宣伝方法というのも大いに関係はする。

ただ不況だとか言う言葉に逃げてはいけない。いいものは需要がある。僕たちはそれが面白いコンテンツであるならば、それがテレビ番組でも映画でも音楽でも本でも何でもメディア関係なく、そこに時間と金を使うのだ。

自分のコンテンツがつまらないことの言い訳を、メディアのせいにしてはいけない。

先日、神保町の三省堂書店に行ったが、お客さんが物凄くいてレジは行列で感動した。

出版社が今後、大成長することはないかもしれない。経営の方法も変えていかなきゃならないだろう。売り方も変えていかなきゃならないだろう。

僕はいつか出版社を設立したいと考えている。大きなものではなく小さく、もちろん一人出版社だ。

無駄に多くの従業員を抱えるのはナンセンスだ。無駄に大きな自社ビルを構えるのもナンセンスだ。そのために無駄な経営コストがかかって、作家の印税が10%なんて泣ける。

今やSNSの普及により個人が大きな力を持つようになったのだ。芸能事務所に所属していなくたって、個人がネット配信で人気になって稼いだり、人気ブロガーとして活動可能な時代で、その優秀な個人にいつまでも低賃金でこき使おうなんてのはもはや、まかり通らなくなるだろう。

本を書いてくれる作家がいなければ、出版社なんてものは存続できない。

とにかく悲観してはいけない。厳しいのは、どのビジネスだって一緒。銀行でさえ潰れてしまう時代に安定を望む方がノー天気なバカなのだ。

悲観しない。だけど浮かれない。荒波に呑まれそうならば舵取りを変更すればいい。沈みゆく船ならば降りればいい。

誰もが試行錯誤で、うまくいく保証なんてものはない。目的があるならば、悲観している暇に、何かするべきなのだから。

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