最近、絵本が熱い。
5000部売れたらヒットという絵本業界だが、キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプペル』が2016年12月8日現在14万部を突破。
『えんとつ町のプペル』 にしのあきひろ(著) Amazon |
また今年、絵本作家のぶみさんの『ママがおばけになっちゃった』は54万部を突破。
『ママがおばけになっちゃった!』 のぶみ(著) Amazon |
この現象はスゴイ事件だ。
ふたつの絵本に共通するのは、絵本という子供が手にする読みモノを大人も手にして絵本の物語に涙しているということだ。
この現象から僕は絵本作家志望者が今後、どんどん増えていくと考察する。
日本が誇る、マンガ、アニメ、ゲームの世界では、様々な作品がクオリティーを上げて大ヒット作を数々生み出している。そこには多くの才能あるクリエイターが集まり、しのぎを削って文化を育ててきた。
しかし絵本では、いまだに書店に並ぶのは『ぐりとぐら』『おおきなかぶ』など、僕が子供の頃に並んでいたものがずっと根強く今でも陳列されている。絵本を買う大人は、自分が子供の頃に読んだ絵本を、自分の子供に買い与えているのだ。世代を超えて、ぐるぐると同じ絵本が変化もなく書店に陳列されて売れ続けている。
親が知らない物語を子供に買い与えるのは、なかなかハードルが高いのだ。
そこに風穴を開けて新たなる旋風を巻き起こしているのが、キングコング西野さんとのぶみさんだ。
子供だけを対象にしているわけでなく親も一緒に巻き込んでいる。親が感動した物語を子供に買い与えてあげたいのだ。
そして子供の親ではなく、子供がいない大人もまた絵本を購入するという不思議。
キングコング西野さんの絵本は、大人がマジマジと見て感心する絵のクオリティーと発想豊かな物語に驚かされる。家の本棚に収めておきたくなる絵本なのだ。
絵本の大ヒットという、この動きに触発されて絵本作家志望者が増えるはずだ。新たる才能の芽が次々とこの業界に出てくるだろう。
絵本作家だけで食べていくには至難の業だ。
漫画なら連載を持てば連載中は食べていける。ヒットすれば大きい。アニメ化、実写化、ドラマ化、映画化、グッズ化など。
絵本は一作一作の勝負だ。アンパンマンのように大人気シリーズ化すれば強いが、基本は一作一作の勝負で、一作が大ヒットしても、その他の作品が売れ続けるのは厳しい。
それでもこの勢いに参加してくる人数は増えるはずだ。これで絵本業界が活性化して面白い絵本作家が増えてくれば、相乗効果で絵本の売上げは上がっていくはずだ。
今後、絵本業界がどう盛り上がっていくか期待したい。
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