全然違うジャンルの作品を4本観た。
カラーも異なるが良作揃い。
僕にとっての良作であり、映画の善し悪しというのは、自分の好みである。
ほのぼのした映画が好きな人もいれば、ハードアクションが好きな人もいる。
和食、中華、洋食、フランス料理など、食に関してだって好みは千差万別である。
年齢とともに好みも変わったり、自分が体験してきた人生においても変化する。
今回はいろんなジャンルの映画を観た。
パコと魔法の絵本 見事な世界観。 パコという少女が可愛い。 監督:中島哲也 出演:役所広司, アヤカ・ウィルソン,妻夫木聡, 土屋アンナ |
キングコング西野さんが物語を書くようになった時の師匠が後藤ひろひとさんという方で、『パコと魔法の絵本』は後藤ひろひとさん原作の映画である。
予告編を見た時に、いい意味で「なに?この映画??」と思った。
邦画でこんな世界観の映画ってあるんだ?と。
ティム・バートン監督の作品ぽさはあるが、映画の持つ世界観はお見事である。
キャラクターの演劇チックな動きは好みではないが、元々演劇原作の作品なので、細かいことは気にしないでおこう。
パコという少女がとても可愛くて、あんなに無邪気に絵本を持って近寄ってきたら、こりゃ優しくしちゃうなぁと思った。
世界観がすでに演劇チックなだけに、劇中劇のメリハリが弱くなってしまったのは残念だが、それも仕方ない。
役者さんたちも他では見たことのない顔を、この映画では見せてくれている。
部屋 奇妙なる作品。 麿赤児の顔が秀逸。 監督:園子温 出演:麿赤児, 洞口依子, 佐野史郎 |
いきなりのカメラの長回し。
ワンカット、ワンカットが異常に長いが、その効果がこの映画をまた奇妙なものにしている。
前回観た『自転車吐息』から、また全然異なる映画を撮ったなぁという作品。
センスのない人がこの映画を撮っていたら、非常に残念な作品になるだろう。
主演の麿赤児さんの顔が秀逸。
黙っている顔が非常に画(え)になる。
殺し屋の男が不動産屋の女性と部屋を探しに行く物語は、奇妙でその雰囲気が良い。
藁の楯 自分の中の倫理観が問われる。 殺人をしないと言い切れるか。 監督:三池崇史 出演:大沢たかお, 松嶋菜々子, 岸谷五朗, 伊武雅刀 |
原作は『ビーバップ・ハイスクール』の木内一裕で、原作がしっかりしているという印象。
少女殺しの清丸という男に孫を殺された金持ちの爺さんが、10億円の懸賞金を清丸にかけて騒動になっていく。
清丸を殺した人に10億円の賞金。
清丸のSPをするのが、大沢たかをと松嶋菜々子。
最初は「10億円ぐらいで清丸なんてヤツ殺さないよ」と思って観ていている。
どれだけ金を積まれても殺人はしたくない。その相手が殺人犯でも。
しかし観ている内に、自分の中の倫理観がどんどん狂ってくる。
借金漬けでどうしようもない状況なら、どうだろう??とか。
清丸ってヤツが、とんでもない悪でクズ。
こいつなんて殺されてイイやろって、思ってしまう。
そんなクズの清丸を護衛するために、他の人の命が奪われいくのだ。
何でコイツを守るために、他の人が殺されるんだ?と。
物語が進んでいくうちに、「あー、俺なら清丸を殺すわ」に変わっている。
10億円とか関係なしに俺は清丸を殺す。
刑務所入ろうが何だろうが俺は殺す。
例えば、自分の家族が清丸に殺されたらどうか??
自分の仲間が目の前で清丸に殺されかかっていたらどうか??
俺は清丸を殺す。
この考え方が戦争になるんのだろう。
自国や自分の国の人達を守りたい。
そのためには敵国の人を殺す。
自問自答して、倫理観を揺さぶられていく作品。
『ジョーズ』 真剣にジョーズと戦う三人の男。 男臭いヤツらの勇姿がイイ。 監督:スティーヴン・スピルバーク 出演:ロイ・シャイダー, ロバート・ショウ,リチャード・ドレイファス, ロレイン・ゲイリー |
子供の頃にテレビで放映されていたが、真面目に最初から最後まで観たことはなかったので、ちゃんと観てみることにした。
ジョーズの顔がどこかしら間抜け感があることは抜きにして、やっぱり面白かった。
もっとホラー映画的な要素が多いのかと思ったら、真剣にジョーズと戦っていた。
また出演者たちがイイ。
三人の男がジョーズと戦うのだが、全然イケメンがいない。
邦画であれば三人ともイケメンを起用するであろう。
ジョーズの恐怖よりも、三人のカッコイイ活躍をご覧くださいってやってしまう。
イケメン三人なんて、全員ジョーズにチンポコ食べられて終わればいい。
男くさい三人がジョーズと戦う姿がすごくイイのだ。
仲間同士でゴチャゴチャ言い争ってみたり、仲良くなってみたり色々あるが、目的は三人とも一緒でジョーズを仕留めることである。
非常に楽しめた。
この記事へのコメントはありません。