SNSで話題沸騰して、口コミで広がった映画、『カメラを止めるな!』を観てきたのだ。
8/12、横浜に展覧会を観に行った後、千葉の柏で塚本晋也監督『野火』のトークショー&サイン会に参加した後、今度は東京上野へ『カメラを止めるな!』を観に行った。
チケット完売でなかなか観れない作品なので、『野火』を観る前の移動中の電車内であらかじめチケットを購入していた。
この日は朝5時に起床してから、夜7時頃まで、何も食べてなかったので、劇場でホットドックを食べてからの観賞。
魅力的な役者たち。
SNSで話題沸騰になり、多くの著名人が絶賛して、また観に行ったお客さんのレビューの高評価の多い事、多い事。
98%位は絶賛してるんじゃないか、という超不思議な現象が起きている。
300万の低予算(実際に使ったのは250万)、無名のキャスト・スタッフで作った映画、この条件が更に話題を拡大させた。劇場2館から始まった映画は、現在全国で180館以上で公開されることが決まっており、連日満員御礼だ。
そんな社会現象云々は、他の人の記事で散々書かれているので、僕が書くまでもないので、この辺で。
僕の感想としては、正直、前半部分は特に何もなかったかな?「どこが面白いのだろうか?」「どこから面白くなるのか?」そんな事を考えながら観ていた。それが後半から、面白さは加速して大いに笑った。劇場内で思わず何度も声をあげて笑った。
見終わった後の気持ちも非常に良く、絶賛されるのが理解できた作品であった。
監督が役者を抜擢する時に、「不器用そうなポンコツな人」を集めて、その役者に合わせて当て書きをしたというが、それが見事にハマッていた。
器用なスマートな役者たちでは、この映画は成立しなかった。
監督の腕がイイと役者が大いに輝く。役者のせいにして、役者に文句を言う監督は、自分の腕がない事をアピールしているだけだ。料理の食材を活かすも活かさないも、作り手の腕次第なのだ。
この映画での役者陣は、ものすごく魅力的だ。誰もが愛したくなる最高な人たちだ。
笑って、泣けた、面白い作品。
上田慎一郎監督は、どん底の状況下でも自分をネタにして、常にポジティブで明るい人だという。どん底を「どう生きるか?」で、僕は人間の底力が付くと思っている。何故、これほどまでに面白い作品が作られたか?が、そのヒントになっている。上田監督は日常的に「面白いこと」を考えていたに違いない。
常に何かをネタにして、ポジティブに物事を考えてきた日々の集積が、大傑作を生んだ。
毎日、愚痴や悪口を言いながら、生きている人間と脳の構造が違うわけだ。発想から何から変わってくるものだ。
大いに笑って泣けた作品であった。では、超大絶賛!か?というと、僕の評価としては10点満点中9点かな。
凄く面白かったけど、「三谷幸喜の演劇」や「ビリー・ワイルダーの映画」等で、見事な脚本構成に、その昔めちゃくちゃ感動していた体験があったので、そこを飛び越えてくる事はなかった。
しかし、僕が以前に書いたコラム
『コメディー映画は難しいのか?喜劇映画論。』
その当時に感じていた疑問を、『カメラを止めるな!』は、払拭してくれた作品になった事は間違いない。日本の映画でも、全然笑えるんだという答えを証明してくれた。
一度だけではなく、二度三度と劇場に足を運ぶリピーターが、続出しているというが、その気持ちはわかる。僕もパンフを買って、また作品の余韻に浸りながら、DVD化されたら買おうと思っている。
Tシャツもバカ売れしてるみたいだから、グッズも売れて本当にスゴイ。
今後の作品にも大いに期待です!
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