古いパソコン内を見ていたら、2015年7月に撮った動画を発見した。
『アウトレイジを観た直後にカレーを食うヤツ。』という、いかにも、くだらなさそうな動画である。
『アウトレイジ』にもカレーにも謝って欲しいものだが、誤解なきように弁明すると、僕は『アウトレイジ』もカレーも大好きである。『アウトレイジ』にカレーをかけて観るぐらいのレベルだ。
『アウトレイジ』
監督: 北野武 |
北野武監督の『アウトレイジ』を観た直後というのは、興奮するものだ。アドレナリンが分泌されて、困った事に凶悪になってしまう。「コノヤロー、バカヤロー」を連呼しながら、肩で風切りガニ股で歩いちまう。もうこれは仕方ない、全員悪人なのである。
子供がヒーロー番組を観た後に、自分が強くなった気がして、ヒーローごっこをするみたいなもんだ。
僕が子供の頃、ジャッキー・チェンの映画を観た後には、自分も強くなった気がした。団地の裏で上級生に絡まれた時、僕はカンフーで戦おうとした。「おお~!蛇拳だ!蛇拳だ!」と、上級生たちはひるんで去っていったのを今でも微かな記憶として残っている。幸いにして僕の蛇拳をお見舞いする事もなく、事なきを得た。もしも蛇拳を使っていたとなると、病院送りにして傷害事件になっていたかもしれない。そう思うと、むやみやたらにカンフーを披露するものではないのだ。
『ビーバップハイスクール』という不良映画を観た後も、ケンカが強くなった気がした。
なかなか単純なものであるが、誰しもがそんな経験はあるはずだ。映画のキャラクターに感化されて、自分もその気になっちまう。古くは、石原裕次郎やショーケンに憧れて、自分もまるで映画の世界に入り込んでなりきっていた人も多いのではないか。キムタクのドラマが流行れば、街中でキムタクのファッションで溢れかえったものだ。
そう考えてみれば『アウトレイジ』を観た後に、自分がアウトレイジになってしまっても、何らおかしい現象ではないのだ。アウトレイジカレー裁判が行われて、被告席に立たされても、弁護士はきっと僕の事を弁護して無罪へと導いてくれるはずだ。
まどろっこしい余計なお話はここまでにして、今の僕の純粋な気持ちはといえば、「今夜は皆さまに美味しいカレーを食べていただきたい」と心から、そう切に願うばかりなのである。
『アウトレイジを観た直後にカレーを食うヤツ。』
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