僕にとって今や夏の風物詩になった、松本敏裕さんと亮平さんの親子展が、今年も横浜市みなとみらい駅構内サブウェイギャラリーMにて開催された。
8/11、『松本敏裕 ×亮平展 ーそれぞれの表現Ⅴー』に行ってきた。
今年も開催してくれた事に感謝、作品を創り続けてくれた事に感謝、親子の情熱に感謝。
中に入ると、亮平さんのお母様が受付で笑顔でお出迎え。僕の事も覚えてくれていて、親切で明るく気品があって、ギャラリー内の空気を明るくしてくれる貴重な存在。
前回も驚いたが、今回も新作の数々に驚かされた。その凄まじい情熱と創作意欲は、一体どこから湧いてきて、一体いつ描いているのか。毎年そのエネルギッシュさに圧倒される。
早朝の公園を掃除する婦人を描く。
僕たちが普段当たり前に見過ごしている日常のさりげない風景も、敏裕さんの瞳には、きっと優しく愛おしく映っているのだ。
その風景や花々、自身の孫を描いた絵たちは、とても優しく愛おしい。
深い愛情に包まれた絵は、写真で記録した思い出のアルバムよりも、お孫さんにとっては嬉しいものだと思う。
花には花の目線で、子供には子供の目線になって描いている。
大人はいつも大人の目線で子供を理解しようとするが、子供の目線になって世界を見る事は色んな発見があるものだ。
花の中に飛び込み、子供の中に飛び込んで描く、そんな芸術家、敏裕さんの姿が目に浮かんだ。
創作意欲は、まるで少年のような敏裕さんの中から、自然と湧いてくるのだろうと思った。
旅先でのポルトガルを描いた作品。
ポルトガルの街と人と。
ポルトガルではポルトガルの中に飛び込んで、そこに暮らす人々の空気、日常や風景を優しく愛おしく描いている。
今回、敏裕さんの作品を見て面白かったのは、その瞳に映る風景だけではなく、そこにアートならではの世界観を足していたりする茶目っ気がある事だ。
恐竜のおもちゃで遊ぶ少年の頃の亮平さんの背後で、大きな鯉のぼりが泳いでいる。
子供の健康と成長を願う親心が、この絵には込められている。
第54回昭和会展でグランプリである昭和会賞を受賞して、益々活躍が華々しい亮平さんは意欲的に活動を続けていて、僕は驚かされる事ばかりだった。
いきものを描いたその不思議な世界観は非常に面白い。
腕を組んでわかったような顔をしながらフンフンと頷いて見るのではなく、亮平さんの作品は面白くて思わずまじまじ見てしまう。
アートは難しいというものではなく、見る人が自分の好きなように感じればいいと、手放しで思わせてくれる自由な作品だ。
亮平さんとお話をさせていただいていた時に、「美術品はフツー手を触れちゃダメだけれど、子供たちがベタベタと作品に触ってもいいような作品を展示したい」と言っていた。
「顔パネルでもいいし、大きな壁画も描きたい」と。
その自由な発想や好奇心が、人の心を魅了する作品を創っているのだ。
倉本美津留さんが運営している、アーティストから直接アート作品を買える通販サイト『これやん』に出品している「涅槃群獣図」も展示していた。
『これやん』「涅槃群獣図」
倉本美津留さんといえば、ダウンタウンさんと番組をつくっていた放送作家で、僕は昔からテレビで知っていたので非常に驚いた。
また創刊50号の『百兵衛』という美術雑誌では、第54回昭和会展の受賞記事や亮平さんのインタビュー、しかも亮平さん連載のコラムまで、全部で12頁も掲載されていてる。
亮平さんに展示していた『百兵衛』をいただき興奮しました。
『美術屋百兵衛(50) 2019年 08 月号 [雑誌]: 盆栽世界増 50 美術屋百兵衛 増刊』 |
フランスでの作品展示も決定しているとの事で、今後の活躍もすごく楽しみだ。
作品は海を渡り、世界へ。
進化し続ける親子展。新しい作品を描き、新しい感動を与えてくれる。
敏裕さんが描いた鯉のぼりは、泳いでいるのではなく、「飛翔している」。
天高く大空へ、世界へ。
そして、今回の遊び心は、敏裕さんと亮平さんの合作が二点。
飛翔する親子は、気さくで純粋。
亮平さんの最新画集も購入出来て、超ハッピー気分。僕も気分だけは飛翔する。
僕の知らない作品もいっぱい掲載されていて、最高!
特別ブースには、芸術一家の作品!!
今年も楽しい親子展をありがとうございました。
アートは面白い!!
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