11日、APOC THEATERにて、『ダブルダブルチョコレートパイ』を観劇してきたのだ。
昨年、僕の自主映画に出演してくれていた岡山昌義さんが、今回の舞台に出演するという事で観てきた。
この日もなかなかの猛暑で、降り立った千歳船橋駅はジジイになるほど暑かったんじゃよ。
物語は、「ノアの箱舟」というのか、危険な大地から脱出して、船の中で安全に暮らす人たちの人間模様を描いた作品。そこにいる誰しもが、心に何かしらの闇や背景があり、船の中の共同スペースで繰り広げられる密室劇だ。
ダブルダブルという事もあって、ダブルキャストで「ミルク篇」と「ビター篇」でキャストが分かれていると思いきや、「ミルク篇」が男性陣、「ビター篇」が女性陣という、面白い試みをしている。
また物語は同一ではなく、「ミルク篇」と「ビター篇」は、同一設定だけど別物語。
「ミルク篇」で男性の電話をしている相手が、「ビター篇」での女性と繋がっていたり、男性キャストと女性キャストで何かしらの関係があったりする。
僕はマサヨシさんが出演している「ミルク篇」しか観ていないが、「ビター篇」も観たくなったのは間違いない。
役者さんたちが、皆、演技も上手く、魅力的な人が多かったのが印象的だ。
マサヨシさんはお茶目で明るくバカッぽくもある正直な男を演じていたが、クセのある登場人物の中では、なかなかまともな役どころであると感じた。マサヨシさんというキャラを通して、他の人たちの闇が目に見えてきたり、観ているお客さんにわかりやすく伝わる役割的な要素もあった。
個々が抱える悩みや問題が、どう収束していくのか?
もつれて絡み合った糸が、どう気持ちよくほどけるのか?
気になりながら観ていたが、現実問題はそんなに甘くないもので、「この先、この人たちどうなったんだろう?」という謎も多く残った。
そんな簡単に問題が解決すれば、人類はとっくに平和に暮らしているのかもしれない。
人類誕生から長い歴史をかけても、人間は不完全で、それぞれ個々が色んな闇も問題も抱えている。
この船の中は、地球の、人類の縮図なのかもしれない。
コメディー要素を盛り込みながら、なかなか哲学的な演劇であった。
観ているお客さんも、この船の中の住人になっているような、そんな錯覚さえも起きた。
終演後は、マサヨシさんと久しぶりの対面。
外の暑さで、まさかのダブルダブルジジイになってしまった。
マサヨシさん、お疲れ様でした!!
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