日本橋三越本店の本館7階催物会場で開催されている『MITSUKOSHI Art Weeks』に行ってきたのだ。
近代フランス絵画や日本国内の近代絵画の巨匠作品、現代活躍中の作家の日本画、洋画、コンテンポラリーアートまで幅広く展示されている。
会場は写真撮影がOKな区域とNGな区域があり、詳細な写真は撮っていないが、会場の雰囲気を味わいつつ紹介させていただく。
錚々たる作品群が展示され、鑑賞を楽しむ人もいれば、お気に入りの画家のお気に入りの作品を手に入れようと購入目的で現れる人もいて、人気画家の作品は「早い者勝ち」で売れていく。
会場にはバスキアやバンクシーの作品も展示されており数千万との値が付いていて、三越本店で販売されている、どの商品よりも高値なのではないだろうか?と、世界で唯一無二のアート作品の無限の価値を思い知らされる。
もちろん今回、数百万、数千万で購入した作品が更なる価値の高騰になることも十分考えられるので、自身のコレクションのためだけではなく投資目的で購入される方もいるだろう。
今回、僕が会場を訪れた目的は「絹谷幸二」作品と「岡靖知」作品を一目見たかったからである。
絹谷幸二さんの力強い富士と太陽の特徴的な絵が特に好きで、壮大なる迫力に満ちた作品から大きなパワーを受け取ることが出来る。
天空へ向かって縦長に伸びたそびえ立つ堂々とした富士と、どデカく浮かぶ真ん丸の真っ赤な太陽から溢れた底知れぬ情熱が、漲る生命力を与え全身を駆け巡る。
岡靖知さんの作品が展示されていたのは一点で、『花緑青 -ハナロクショウ-』との名の作品だ。
美しい女性を描いた岡靖知さんの写実作品は、息を呑むほどの神がかりな技術で、「本物よりも本物」と言ってもおかしくない。
緻密で繊細な表現を間近で拝める貴重な機会は滅多にないので、目ん玉を大きくして絵を食い入るように見る。
着物姿の女性の流線形を描いた淑やかなポーズ、髪の毛一本一本に魅せられ、時が止まる。
緊張を解くように小さく息をつくと、静かな優しい風に吹かれ、時が動き出す。
会場に展示された作品量も多く全ての作品をまじまじと鑑賞することは出来なかったが、訴えかけてくる才能の嵐が渦巻いていた空間であった。
生活をしていくことに花瓶に生けた花は必要ではないが、その美しい花が人の暮らしを彩り心を豊かにしてくれることと同様に、人が生きていくことに決してアートは必要ではないが、アートを感じることで人生を遥かに豊かなものにしてくれることは間違いない。
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