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『愛なき森で叫べ』『ランペイジ 巨獣大乱闘』を観たのだ。

10月って結構めちゃくちゃな月ですね。

すんげー暑い日があったと思ったら、急に涼しくなって肌寒い時もあるし、台風も頻繁に日本列島を襲ってくる。

晴天は少ないし、着ていく服も昼と夜で気温差が激しいから迷っちゃう。

それでは、映画のレビューを。

『愛なき森で叫べ』
園子温がいっぱい詰まった映画!
迷作であり名作!!
監督:園子温
出演:椎名桔平,満島真之介,日南響子,鎌滝えり,真飛聖,でんでん

Netflixで観る

園子温監督、Netflixオリジナル映画である。

冒頭から戸惑う。猟奇殺人を題材にした映画であるという認識の中で観ようと身構えていたのに、かなりのコメディーがおっ始まるのだ。

「これはちょっとダメかなぁ」と不安を抱きつつも観ていくと、物語はどんどんヤバい展開に。

椎名桔平のコメディーな軽いノリは、悪ふざけをすればするほど、「何を考えているのかわからないヤツ」という恐怖心を煽ってくるのだ。

口八丁手八丁で相手を洗脳して、マインドコントロールしていくさまは、逃げ出す事を考えるよりも、取り込まれてしまった方が楽しいのかもしれないと錯覚を与える。

出逢った女性にいきなりキスをしてから惚れさせるというテクニックは、「んな、アホな」「そんなんで惚れるわけないやろ」とは思うが、何故か自分の音楽ライブの会場を女性で満杯にしてしまうほどのモテぶり。

この映画では園子温がいっぱい詰まっている。上京した青年が路上で弾き語りをしているシーンは、まさに童貞を捨てるために上京して路上でギターを弾いている10代の園子温であり、自主映画を仲間と撮っていた頃の園子温が存在する。園子温映画で数多く使用される「ミツコ」という名前の女性の登場やファンタジーを絡めた詩的なシーン、また『冷たい熱帯魚』のような残虐シーン等、園子温映画を観続けてきたファン心をくすぐってくれるのだ。

『冷たい熱帯魚』で震撼させたでんでんと、今作の椎名桔平との新旧サイコパス対決はファンにとっては、嬉しいサービス。


『愛なき森で叫べ』は実際に起きた事件「北九州監禁事件」を基に作られているが、実際の事件をそのまんま映画にしているわけではない。ほぼフィクションで構成されている。

「園子温監督が描く、実際に起きた事件を基にした映画化」というのは、かなりのキャッチで話題になるけども、わざわざ「実際に起きた事件を基に」と謳わなくてもイイと個人的には思う。「北九州監禁事件」とは全然別物であるから、「実際に起きた事件」と謳われると観ていてややこしい。

『冷たい熱帯魚』や『恋の罪』の成功例があったので無理もないが。

『愛なき森で叫べ』は、迷作でありながらも名作という、両方を兼ねそろえた園子温ワールドが隅々まで彩られた映画である。

『ランペイジ 巨獣大乱闘
ハリウッド得意な大暴れ映画。
ゴリラよりゴリラな男に注目!!
監督:ブラッド・ペイトン

出演:ドウェイン・ジョンソンナオミ・ハリスジェフリー・ディーン・モーガン

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遺伝子実験の失敗で巨大化した動物が、もはや怪獣になって街の中で大暴れするという、「ハリウッドはこういう映画作るの好きだねぇ~」なんて思いながら、なんやかんや「観るの好きだねぇ~」と観ちゃっている僕がいる。

意図的にではなく、偶発的にゴリラ、オオカミ、ワニが巨大化してしまう事になるのだが、「それは都合良すぎやろ~」といらぬ事を思っちゃう。そんな強そうな動物ばかりが巨大化するなんて、「まるで映画やん!」とツッコミを入れるも、それもそのはず今、目の前で観ているものは正真正銘の紛れもない映画だったのだ。

巨大化した動物たちは案の定、街を破壊して人間を襲う。人間が束になっても、やはり敵わない。

恐怖や凶暴性を表して娯楽として楽しむものだから仕方ないが、人の前で人が死んでも何とも思わない連中ばかりで気になる。イヤな奴は「ざまぁみろ」感覚で天罰にあう。人間の命がちっぽけに描かれているシーンはもどかしくもある。

そして、必ずどんな危機も乗り越えるヒーローが活躍するのだ。

そう、その名はドウェイン・ジョンソン。

ゴリラと心を通じ合わせる男なのだが、ゴリラ同士だから、それも納得。

ゴリラよりゴリラな男が、とにかく疾走して傷だらけになりながらも戦う。

何も考えないで、ポテトチップスでも食べながら観るには最高の映画なのだ。


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