やっと映画を観れた。観たい映画は山ほどあれど、なかなか時間が作れず。
最近観た4本の映画の感想を書かせていただきます。
『ボヘミアン・ラプソディ』 興行収入1000億突破の世界大ヒット! クイーン知識なしの僕は泣けなかった。 監督:ブライアン・シンガー 出演:ラミ・マレック, ルーシー・ボーイントン, グウィリム・リー, ベン・ハーディ, ジョセフ・マッゼロ
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世界で超大ヒットして興行収入が1000億円を突破したというんだから、もう無敵状態。僕の個人的映画感想など、大海原に小石を投げ込んだところで何の波紋も起こらないが、個人的な感想というのは、個々がどう感じたか?であるから自由なのだ。
クイーンの知識はほぼ皆無です。劇中で流れていた有名な曲は、もちろん幾度も耳にした事はあるが、その程度。号泣する映画だというのは知っていたが、どこも泣けなかった。感情移入するところもなかった。
大スターが故の孤独感というのは贅沢な話で、多くの人は貧しく孤独である。世界中の人たちに愛されているフレディ・マーキュリーであるが、多くの人は誰からも愛されていない。
映画の中でのフレディ・マーキュリーが、気になるほどギョロ目で出っ歯だというのは終始違和感があった。
そして、肝心なスーパースターのオーラを感じる事が出来なかった。
クイーンについて知識がないので、実際のフレディ・マーキュリーの映像を観てみたが、やはり本物はスーパースターのオーラがあって本物は圧倒的にカッコ良かった。
本物の方が恰幅が良く内側からスーパースターのオーラが感じる。映画のフレディは華奢でナヨナヨしてる印象が強かった。
それならば同じくミュージシャンとしてスターへと上り詰めていく友情と愛情と孤独を描いた日本映画の、本木雅弘・吉岡秀隆・安田成美の『ラストソング』を僕はオススメしたい。DVD化されてないけど。
『ラストソング』【VHS】 監督:杉田成道出演:本木雅弘, 吉岡秀隆, 安田成美 |
それでも世界中で大ヒットして多くの方が絶賛して号泣しているのだから、クイーンファンも納得の映画であったのであろう。僕の見解が大きくズレているのかもしれない。
日本で音楽伝記的な映画を作るならば、スーパースター矢沢永吉であろうか?「CAROL」は文句なしにカッコイイし、数多くの映画になりえる物語があるはずだ。
『止められるか、俺たちを』 古き良き時代の情熱家たち。 青春は止まらない!! 監督:白石和彌 出演:門脇麦, 井浦新, 山本浩司
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僕の勉強不足で、この映画の中で井浦新演じる若松孝二監督の事をほとんど知らない。
若松プロ出身の白石和彌監督が今作でメガホンを取り、若松プロが映画を撮り続ける青春を描く。
僕はこの時代の雰囲気が好きだ。天才たちが飲み屋や喫茶店等に一同に集まる感じ。赤塚不二夫や大島渚がいて。ものづくりに情熱を燃やして、色んなジャンルの天才たちが集まって、哲学を語り、バカ話に花を咲かせる。
この映画では若松監督を中心に様々な人の人生模様が描写されていて、その視点は門脇麦演じる吉積めぐみを通して垣間見られる。
汗臭く泥臭い男だらけの現場に、門脇麦の控えめながらも時には荒っぽい立ち振る舞いが、観ていて心地いい。無言の表情に説得力がある顔をした貴重な女優である。
『スマホを落としただけなのに』 落とした「だけ」ではない、 主人公サイドが問題だらけ。 監督:中田秀夫 出演:北川景子, 千葉雄大, 原田泰造
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前知識なく観てみたが、『スマホを落としだけなのに』というか、スマホ以前に問題ありな人達ばかりの登場人物である。
監督が中田秀夫監督だというのも観終わってから知った。『リング』や『クロユリ団地』など数多くのホラー映画を撮ってきた監督だけあって、サスペンスだけでなく気味悪いホラー要素が満載であった。
確かにスマホを落として、運悪く変な人に拾われてしまったとしたら、何かしら面倒くさい事になりそうだ。物語が発展していくうえで、非常に良いアイデアだと思う。2020年にはパート2が公開予定という事で、スマホを落とした事による色んな物語が作れそうだ。
しかし今回の物語は、「落としただけなのに」という以前から、主人公サイドに問題ありまくりだ。どんだけ秘密抱え込んどんねん!と、ツッコミをいれざるをえない。
警察が事件を追って大がかりな展開になるのは好みではない。警察抜きで、主人公たちだけで事件に巻き込まれて解決していくというのが、僕個人は好きなのだ。
スマホを拾った異常者の人の演技がなかなか良かった。気持ち悪さを上手く演じていた。中田秀夫監督の演出はお見事で、ヒッチコックの『サイコ』を彷彿させるシーンもあり、楽しめた。
『クリード 炎の宿敵』 新たなる物語と過去の因縁。 ドラゴとの共演が嬉しい。 監督:スティーブン・ケイプル・Jr. 出演:マイケル・B・ジョーダン, シルベスター・スタローン, テッサ・トンプソン |
『ロッキー』シリーズでは、やはり『ロッキー4』に胸を熱くした。
サイボーグマシンのようなドルフ・ラングレン演じるドラゴと、人間臭いロッキーの対比は素晴らしく良かった。
今回の『クリード2』でも過去映像が流れてきたが、昔のロッキーとドラゴのカッコ良さは異常。
今回のドラゴ父子において、父親の悪そうな顔つきは、どこかしら寂しく感じた。「おいおいドラゴ!そんな憎しみに満ちた顔をするんじゃない!」と。
息子のドラゴはヒゲ坊主だし、ちょっとワイルド過ぎやしないか。
哀愁といえばロッキーのお約束だけども、このドラゴ父子の哀愁もハンパない。
何故か、敵対するドラゴ父子にも感情移入してしまい、「負けてほしくない」という想いが芽生える。
それはロッキーに敗れた、その後のドラゴの人生が壮絶であったからだ。勝つ事への執念が、この父子に深い哀愁を漂わせる。
クリードのトレーニングシーンも良かった。『ロッキー4』でのロッキーを思い出させる野性味溢れたトレーニング。倒れても立ち上がる不屈の精神を培っていく。
音楽や歌、風景、美しい筋肉、全ての調和が見事だ。
過去の因縁に終止符を打ち、では『クリード3』はどうする??そんな期待感が次作を待ち遠しくさせてくれる。
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