フジテレビ開局60周年特別企画の木村拓哉主演の二夜連続放送の新春SPドラマ『教場』を観たのだ。
リアルタイムで観たわけではないが、フジテレビオンデマンドで視聴したのだ。
このドラマの話題や見どころは単純にキムタク主演というのが大きいのだが、いわゆるキムタクがヒーローになって活躍するような、いつものテイストではなく、白髪のキムタクが警察学校を舞台に超絶に厳しい教官を演じるという点であろう。
今まで誰も観たことがないキムタクを『教場』で堪能することができるのだ。
特にキムタクファンということではないが、やはりスターであることは間違いなく、アイドルとしても華々しい軌跡を辿った方だが、役者としても数多くのヒット作を生み出していて、そのキムタクが今までとは違った役どころで挑むドラマとならば観たいに決まっている。
『教場』ではキムタク演じる風間教官が、警察学校の生徒たちに厳しく指導するところにドラマの面白さがあるのだが、「おいおい、こりゃ一癖も二癖もある生徒たちだな!」と思わざるを得なくて、風間教官がまともに見えちゃっているというジレンマがある。
フツーの生徒たちに異質な鬼教官が暴れ回るという設定だと思っていたが、生徒たちが一癖も二癖もあって、「そりゃ厳しくして当然だろ」と風間教官に教官だけに共感してしまうのである。
生徒たちは、おとなしそうな顔を装っているが、裏ではギトギトに汚れた本性を持ち、すぐに感情を爆発させる単細胞なおバカさんで、「こんなヤツ警察官になったらアカンやろ」と視聴者も思ってしまうはずなのだ。
しかしながら根っこがちゃんと単細胞な生徒たちだから、自分の愚かさにすぐに気づくという素直さがあるのは良いところではある。
その単細胞な素直さは悪の道へも簡単に引っ張られてしまう危険性もあるので、いささか心配でもあるが。
そんな単細胞な生徒たちを指導するのは、風間教官にとってお茶の子さいさいのイージーゲームなのである。
それにしても生徒たちが不審な動きをしてくれることで、このドラマは展開される。
そう、決して風間教官の無謀な行き過ぎた指導によってドラマが展開されるのではなくて、生徒たちのおバカな言動によってドラマは展開されていくのである。
それは仕方ないことである。『金八先生』も生徒が問題を起こしてくれなかったら、何の展開もないツマラナイ学園ドラマになってしまう。
生徒たちが問題だらけであればあるほど、ドラマは面白く展開されるのだ。
それには一癖も二癖もある生徒たちの存在が必要不可欠なのである。
いやぁ、やっぱりカッコイイですな。
白髪でもカッコイイですわ。
そもそも風間教官の厳しい指導の裏には指導の理由があり、立派な警察官として卒業させようという想いがある。
そんなことは視聴者もとっくに気付いているので、風間教官のことを「酷い人だ!冷徹な人だ!」なんて思わないのである。
風間教官は完璧とも言える教官であり、それはもうカッコイイのだ。
このブログでは映画の感想はよく書くけれど、ドラマの感想はあまり書かない。連ドラなんかも、たまに観たりするけど書いてはいない。たまにはドラマの感想も書いておこうかなぁ、という気まぐれで書いてますが、今後はドラマの感想も書いていこうかな。
二時間近くあるドラマを前編・後編と二夜連続で放送したわけだから、計四時間近くあるのだが、「退屈だなぁ」という感覚はなく非常に見やすい、まさに家庭で観るには良い新春ドラマであったと思う。
ひとつ「長いなぁ」と感じたところは、警察学校卒業後のラスト。生徒たちの卒業後や途中で退校した生徒たちのその後を、それぞれ見せていく感動のシーンなのだが、この感動シーンがやや長いと感じた。
感動シーンというのは、あまり長すぎると冷めていくもので、例えば涙が頬を伝うシーンで感動できても、五分間ずっと泣き続けられたら感動は薄れて「いつまで泣いとんねん!」となる。
日本のドラマや映画の悪いクセで視聴者を感動させようとするあまり、感動シーンを長く見せてしまうのだ。物語のテンポも悪くなってしまうので、割りとあっさり見せた方が視聴者に想像させることによって一層感動するものである。
ドラマの放送の尺のこともあるので、バッサリ切ることも出来なかったのかもしれないが。
いずれにしても楽しく観させていただきました。
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