2019年2月22日に劇場公開されて、興行収入37億円を超えるヒットを記録した『翔んで埼玉』。
第43回日本アカデミー賞の優秀賞を、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞を含む最多12部門で受賞している。
『翔んで埼玉』 キャスティングも演出も素晴らしい。 非の打ちどころがないコメディー映画。 監督:武内英樹 出演:二階堂ふみ GACKT 伊勢谷友介 |
『パタリロ!』の漫画家である魔夜峰央が、1982年に当時自分が住んでいる埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画『翔んで埼玉』として発表した。
30年以上を経た2015年に復刊されるとSNSなどで反響を呼ぶことになる。
『翔んで埼玉』 魔夜 峰央 (著) |
そして遂に『翔んで埼玉』を、二階堂ふみとGACKTの主演で実写映画化。
二階堂が男性である百美役をGACKTが麻実役をそれぞれ演じる。
監督は『のだめカンタービレ』シリーズ、『テルマエ・ロマエ』シリーズの武内英樹。
配給:東映
かつて東京都民から冷遇され酷い迫害を受け続けてきた埼玉県民は、身を潜めてひっそりと暮らしていたのである。
東京都知事の息子で東京トップの名門校である白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、容姿端麗なアメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)と出会い、互いに惹かれ合っていく。
しかし、麗が埼玉出身であることが発覚、衝撃の事実を百美が知ってしまい、二人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることとなってしまうのだ・・・・。
先ずは、大ヒットをした映画だというのが凄い。バカバカしい内容を真剣な顔して大人たちが作っているのだから、そのバカバカしさが伝染して、「面白い!」と日本国民のハートを掴んだのだろう。宣伝も上手かった。予告編がメディアで流れるたびに「観たいなぁ」と心をくすぐり続けた。そしてそれは埼玉県民なら、なおのことだ。
キャスティングも良かったし、監督も良かった。真剣に埼玉をディスりながら進行していくだけでは窮屈になるかもしれない。だが現代の埼玉に住むひとつの一家が、架空の物語か?本当の話か?という「埼玉の都市伝説」のラジオドラマを聴いているシチュエーションを取り入れることで、適度なゆるさで映画が緩和されて、さらに映画を見やすく楽しめるものにしてくれているのだ。
ツッコミがいないボケッぱなしの物語の中で、観ている人たちが置いてけぼり感をくらわないように、ツッコミ要素や僕たちの心情を代弁してくれているのだ。しかしこの一家も十分に変な一家で、こっちのドラマも同時に作り上げることで面白さが増している。
お見事としか言いようがない。
キャラクターたちも個性豊かでオーバー演技で形成されているが、そのひとつひとつが邪魔にならない。映画を面白くしていく上で、全員が120%活きているのだ。
舞台は日本であるはずなのに日本人離れしたビジュアルで構成することにより、日本臭い現実を忘れさせながら「埼玉をイジる」というのは、大きな発明と思われる。
もちろん、魔夜峰央さんの原作ありきでビジュアルを作っているのだが、それにしてもキャスティングや衣装、役者の演技においてパーフェクトではないだろうか。
ラストの「日本全国が埼玉化」している現象を見せるのも、非常に面白かった。
『翔んで埼玉』は非のつけどころがないコメディー映画であるというところで、「カット、カット」。
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