葛飾北斎生誕260周年に合わせて2020年5月に公開を予定していた映画『HOKUSAI』(橋本一監督)が、新型コロナウイルスの感染状況ならびに政府・自治体・関係諸機関の発表や方針で、来年に延期することが決定した。
新たな日程は公式サイトなどで発表。前売り券は延期後も使用できる。
本作は柳楽優弥(30)と田中泯(75)のW主演であり、青年~壮年期の北斎を柳楽、老年~晩年期を田中が演じている。
以前、このブログでも紹介させていただいた映画『HOKUSAI』であるが、残念ながら新型コロナの影響で来年に延期することが決定したようだ。
やむを得ない判断であったことだろう。
2020年5月公開間近で延期することになるのは、キャストならびにスタッフにとって歯がゆいものがある。
いち早く多くの人に観ていただきたいというのが、製作者たちの想いだからだ。
政府などが絡んでいるところをみると、新型コロナが原因の引き金ではあるが、オリンピック延期が『HOKUSAI』に打撃を与えたんじゃないだろか。
2020年東京オリンピック開催ということもあって、今年はやたらと浮世絵等の日本の「和」をテーマにした美術館での展覧会が多いのだ。
僕も行った「大浮世絵展」は、江戸東京博物館から、福岡市美術館、愛知県美術館へと2020年に順次開催される。
その他にも数多くの浮世絵展が全国各地で開催される。こちらもコロナの影響で延期等に見舞われる可能性大だが。
2020年に開催される予定であった東京オリンピックに合わせ、海外からの旅行者に向けて日本の文化を前面にアピールしていこうという企みであったはずなのである。
映画『HOKUSAI』もきっとオリンピックに公開を合わせてきた。
葛飾北斎生誕260年に合わせて公開する理屈であれば、延期することはなかっただろう。
新型コロナの拡大が収まらない今、やはり映画館に足を運ぶことも難しくなった。
あの密室空間で、人と人が密集するのは極めて感染のリスクがある。
コロナよりも、むしろ経済的な危機によって人が追い込まれていく危険性の方が高いので、出来る限りはカネを循環させていった方がイイのはわかっているが、自分の判断ミスでコロナに感染してしまい、さらに周囲にも感染させてしまったのなら、それはまた絶望的である。
映画『HOKUSAI』は観に行こうと思っていただけに残念ではあるが、コロナが収束しない限りは、公開していたとしても観に行けない。
製作費をかけて作った映画の回収するタイミングがズレてしまったことは、これもまた製作者サイドにとって厳しいものになっているはずだ。
来年は安心して『HOKUSAI』が映画館で観られる状況になっていることを心より願う。
この記事へのコメントはありません。