20歳で浮世絵師としてデビューしてから90歳で没するまでの70年もの間、常に挑戦を続けて森羅万象を生涯描き抜いてきた画狂の絵師・葛飾北斎(1760-1849)。
北斎生誕260年を記念して、世界一の北斎漫画コレクターである浦上満の全面協力によって、代表作である≪北斎漫画(初編~15編)≫全883頁、≪冨嶽三十六景≫全46点、≪富嶽百景(初編~3編)≫全102図を通期で展示される。
『生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」』が、7月22日(木)~9月17日(金)まで、東京ミッドタウン・ホールにて開催。
展示空間は、国際的な注目を集める建築家の田根剛、アートディレクター・ブックデザイナーの祖父江慎らが構築する。
そして、その空間に日本美術を主な領域とするライター・エディターの橋本麻里による編集と、高精度な文化財デジタルアーカイブを得意とする凸版印刷の表現技術が加わる。
未だかつてない北斎づくしの空間が六本木に出現する。
元々は昨年開催予定だったが、新型コロナの影響やオリンピック中止に伴い、大規模な北斎展が中止になった。
また映画『HOKUSAI』も昨年公開予定だったが延期になり、ようやく今年の5/28に公開される。
どうやらもうコロナやオリンピックがど~のと言っている場合じゃないのだ。
北斎展を楽しみに待っている人たちをこれ以上待たせてはならない。
僕も楽しみにしていたのである。
黙って絵を鑑賞することまで許されないとしたのなら、もう僕たちは何の娯楽も楽しめないであろう。
北斎ファンの僕も、もちろん展覧会に行こう。映画も観に行く。
昨年の開催を心待ちにしていたのだ。
中止になったことで残念な想いではあったが、ようやく本日、今年に開催されるというニュースが飛び込んできた。
北斎の絵は魅力的だが、その人物像も魅力的である。
まさしく「画狂」と呼ばれる生涯を送り、最後の最期まで「生きて絵を描きたい」ということを望んだ人だ。
絵を描くことの情熱と飽くなき探求心は素晴らし過ぎる。
世界の北斎だ。
本来ならば海外からのお客さんも多く鑑賞することになっていただろう。
オリンピックが開催したとしても、さすがにまだまだ厳しい入国制限がなされるはずである。
日本の誇りを、北斎が描く「美しい日本の情景」を海外の人たちにも見てもらいたかった気持ちは否めない。
時代を越えて、僕たちの目の前に「江戸の風景」が広がる。
楽しみで仕方ない。
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