さて、立て続けに観ている「ゴジラシリーズ」。今回で7作目であるが、まだまだ1966年の映画。
『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』 ゴジラもモスラも眠りっぱなし。 モスラにいたってはスルー。 監督:福田純 出演:宝田明 水野久美 砂塚秀夫 |
『ゼロ・ファイター 大空戦』の関沢新一が脚本、『怒涛一万浬』の福田純が監督。
特技監督をお馴染み、円谷英二が務める。
1966年製作/86分/日本
原題:Ebirah,Horror of the Deep
配給:東宝
四人の男性を乗せたヨットは南洋上で巨大なハサミに襲われて、島に漂着した四人は謎の基地と奴隷輸送船を見出す。
奴隷船から脱出した娘・ダヨは、自分はインファント島の住人であることを四人に語り、輸送船と基地は“赤い竹”と呼ばれる謎の組織のものであることなどを告げる。
彼らは、連れてこられた他の島民たちを救出するために、その島で眠りについていたゴジラを甦らせる。
そしてゴジラは“赤い竹”の基地を破壊して、島を守るエビラと対決する・・・。
監督もお馴染みであった本多猪四郎から、福田純監督へ。
そしてお馴染みである宝田明は、金庫破りという指名手配犯として登場。
また第一作で独眼として現れた平田昭彦演じる芹澤博士は、芹澤博士ではない役柄なのにも関わらず、何故か独眼。しかも悪役になっちゃった。
「ゴジラシリーズ」は物語が続いているかのように思えるが、同じ役者が違う役を演じて出てくるから少々戸惑う。
これは手塚治虫先生の漫画で見受けられるヒゲオヤジやランプなど、同じキャラクターを物語によって別役で使い分けている感じなのか。
前半でエビラが海中から出現して船を襲うシーン、ここは中々迫力があって良かった。どでかいエビのハサミだけが「ど~ん!」と海中から飛び出して、荒波の中で船が襲われる。非常に良かった。
しかし、この『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』は、タイトルやポスターを見た時に、壮大な大決闘が繰り広げられるんだろうと胸を躍らせるが、映画が開始して一時間たっても全然ゴジラは暴れやしない。
とある島に漂流した四人組とインファント島の住人、そして謎の組織「赤い竹」とのドラマが繰り広げられて、怪獣そっちのけである。
エビラは時々にしか海中から姿を現さないし、ゴジラは居眠りをぶっこいているし、モスラも微動だにせず居眠りをしている。
「どこが大決闘やねん」と思いながら観ていると、映画のだいぶ後半で落雷に打たれたゴジラが目覚める。
やっと、エビラとモスラと大暴れするのかと思ったら、どこからともなく巨大コンドルが出現してゴジラを邪魔する。ゴジラの顔の周りをバッサバッサと、これは鬱陶しい攻撃である。
エビラとの対決では、エビラのホームである海中で繰り広げられる。圧倒的にエビラ優勢だろう。
ゴジラとエビラが対決している中、それでもずっと居眠りをぶっこくモスラ。「いつまで寝とんねん!」
結局、モスラが起きて飛び回ったのは、ラスト5分あたり。しかも、ゴジラやエビラは完全に無視して、爆破される島にいる住人たちを救うためだけに現れる。「モスラって、いいヤツやぁ~」と思うが、いやいや怪獣映画としては、ゴジラ・エビラ・モスラで壮絶な死闘を繰り広げて欲しかった。
上の画像みたいな三大怪獣による「大決闘」は一切なかったけど・・・。
それにしても海での対決は、街の建造物を破壊することもないから陸で生活する人間にとっては安全だね。
最後はゴジラのバカヂカラで、エビラのハサミをぶっちぎるという残酷シーンもあり、86分の映画の中で、なかなか盛りだくさんに詰め込んだ映画だったのではないか、といったところで「カット、カット」。
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