楽しみにしていたNetflixドラマ『呪怨:呪いの家』を一気見したのだ。
『呪怨:呪いの家』 加耶子も俊雄君も登場しない「呪怨」。 時代と事件と人間が交差しながら織りなしていく。 監督:三宅唱 出演:荒川良々、黒島結菜、里々佳 |
ホラーシリーズ『呪怨』は2000年にビデオ版で誕生。
2003年、劇場版が公開。
2004年のハリウッドリメイク版『THE JUON/呪怨』。
続編『呪怨 パンデミック』、2015年の『呪怨-ザ・ファイナル-』など、現在まで20年間続いてきた。
Netflixオリジナルシリーズとして配信される『呪怨:呪いの家』は、初のドラマ版。
『きみの鳥はうたえる』の三宅唱監督がメガホンをとり、『呪怨』シリーズを手がけてきた一瀬隆重氏がプロデューサーを務める。
主演の心霊研究家の小田島泰男を演じるのは、劇団・大人計画の荒川良々。
ヒロインの本庄はるか役で黒島結菜が出演。
里々佳、長村航希、井之脇海、柄本時生、仙道敦子、倉科カナがキャストとして名を連ねる。
実際にあった出来事を参考に産み出された『呪怨』。
初のドラマシリーズとなる本作では、起源となった“呪いの家”で起きた忌まわしい出来事の数々が明らかになる。
Netflixオリジナルシリーズ『呪怨:呪いの家』は2020年7月3日(金)、世界190カ国へ配信予定。
1988年、オカルト番組で共演した新人タレント、はるか(黒島結菜)が経験した怪現象に興味を引かれていく心霊研究家の小田島(荒川良々)。
同じ頃に、あるトラブルによって転校を余儀なくされた女子高生の聖美(里々佳)は、級友たちに誘われて、“猫屋敷”と呼ばれる空き家を肝試し気分で訪れる。
6年後、虐待されている子どもを救おうと、ソーシャルワーカーの有安(倉科カナ)は、必死の行動を起こす。
接点のなかった彼らは一軒の家を中心に引き寄せられていくが、呪いの連鎖で結び付けたその家の恐るべき真実とは!?
なるほど、なるほど。本作では、残念ながら加耶子も俊雄君も登場しないので、従来の「呪怨」シリーズを期待していた人にとっては賛否分かれるかもしれない。
僕も加耶子や俊雄君が好きなので、2020年に現れる加耶子や俊雄君を期待していただけに残念な想いがあった。僕が勝手に期待していた「呪怨」は、2020年の現代を舞台に巻き起こる加耶子と俊雄君のホラーであった。
『呪怨:呪いの家』はその真逆である1988年の舞台から始まる過去を時代背景にした、加耶子も俊雄君も登場しないホラーである。
全く新しい物語の「呪怨」という点では成功作ではある。呪われた家と複雑な人間関係を不穏な空気感を漂わせながら、上手く表現していた。
心霊研究家の小田島が「呪われた家」について調べることで、物語は続いていくのである。また小田島本人も幼き頃に「呪われた家」に住んでいたというのだから、これは偶然ではない。小田島は生かされて心霊研究家という仕事に就かされているのだ。
『呪怨:呪いの家』では、過去の日本で実際に起きた残虐事件を織り交ぜながら描かれていく。
連続幼女誘拐殺人事件、女子高生監禁殺人コンクリ詰め事件、名古屋妊婦切り裂き事件、松本サリン事件、1995年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、1997年の東電OL殺人事件、酒鬼薔薇事件、僕たちのその当時のイヤな記憶が「呪怨」の恐怖とともに甦る。
全話が1話~6話までで、1話あたり30分前後だから一気見した方も多いだろう。サクサク観れるのはネット配信の魅力である。
僕が全体を通して「この人一番不幸じゃないか!」と思った人は、女子高生である河合聖美の担任の教師だ。河合聖美の母親と肉体関係を持つことはクズに値するが、だからといって「殺人犯」として刑務所送りになるのは悲惨過ぎるではないか。本当に何しに物語に現れたのだろうか。可哀相過ぎる。
それにしても河合聖美役の里々佳さんは、この時代設定によく似合う人をキャスティングしたなぁ。
登場人物たちが「呪怨」の持つ呪いなのか?皆不幸の道を辿っていく。自業自得なところもあるような気がするが・・・。
色々と衝撃的なシーンが多かった。殺害された妊婦のお腹の中で電話機が鳴って取り出したり。
本作での僕の好きな名シーンといえば、胎児が弁当を喰っているシーンであろう。あのシーンは最高にエモーショナルであった。
監督を務めた三宅唱さんは本作が初のホラー作品であるらしいが、今後もホラーの仕事が増えるはずである。
シーズン2も制作されることだろうから。きっと制作陣もシーズン2を視野に入れながら作っていたはず。小田島の姉は行方不明のままだし、時代は1997年までの物語を描いているので、それ以降の物語を描いていくはずである。
個人的には加耶子と俊雄君に登場して欲しいが、今後描かれることはあるのだろうか?
また「呪怨」シリーズが描かれることを楽しみにしていよう、っていうことで「カット、カット」。
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