紀里谷和明監督のハリウッド作品を観た。
『ラスト・ナイツ』 紀里谷監督の良さが活かされていない。 可もなく不可もない映画。 監督:紀里谷和明 出演:クライヴ・オーウェン モーガン・フリーマン クリフ・カーティス |
『CASSHERN』『GOEMON』の紀里谷和明監督ハリウッド進出作品。
クライブ・オーウェンとモーガン・フリーマンが主演。
伊原剛志がライデンの最大のライバル・イトー役で出演。
2015年製作/115分/PG12/アメリカ
原題:Last Knights
配給:KIRIYA PICTURES、ギャガ
狡猾(こうかつ)な政治家が台頭して戦士たちが追いやられようとしている帝国で、ある日、強欲な大臣から賄賂を要求されるも、それを断った上に彼に刀を向けたバルトーク卿(モーガン・フリーマン)が反逆罪に問われるという事件が起きる。
その後、バルトーク卿に死刑判決が下された。
そして彼のまな弟子であった騎士ライデン(クライヴ・オーウェン)の手で斬首されてしまう。
1年後、ライデンは酒に溺れる毎日を送り、他の騎士たちも刀を捨てていたが、その裏で彼らは主君バルトークの敵を討ち、堕落した権力者たちへ報復する計画を進めていたのだ。
単純に『CASSHERN』『GOEMON』の2作品を日本で作っただけで、ハリウッドに進出したのは凄いことである。
だが紀里谷監督のハリウッド作品は、紀里谷監督の「良さ」や「武器」を活かしていなかった。
紀里谷監督といえば映像美やスタイリッシュなセンスが抜群に凄い人で、それこそミュージックビデオの世界では紀里谷監督の「良さ」が思う存分発揮されていた。
そんな紀里谷監督が映画を撮ることで、映像のカッコ良さと物語と演技にアンバランスさが芽生えて、評価されないこともあったと思う。
個人的には紀里谷監督は人間的に興味深くて好きな監督であるが、紀里谷監督の「良さ」を映画で本気で発揮出来れば最高な作品が作れるはずである。
映像のカッコ良さは、なかなかマネ出来るものではないし、物語はさておき映像を観ているだけでも楽しめる。だからこそミュージックビデオでは上手く発揮出来る。
『ラスト・ナイツ』は紀里谷監督の映像によるスタイリッシュさがなく、可もなく不可もない映画であった。
物語は大した話でもないし、終始全てのキャラクターが重厚で陰気な顔をしているので、せめて紀里谷監督の得意とする映像による面白さが欲しかった。
ハリウッドもそこに期待して紀里谷監督を起用したのではないか?
可もなく不可もない映画であれば、わざわざ紀里谷監督を起用する必要性はないわけだから。
とは言いつつも紀里谷監督は個人的には活躍して欲しい監督なので、次回作を楽しみに待っているというところで「カット、カット」。
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