『オーメン(1976)』がすごく良かったので、続編を観た。
『オーメン2 ダミアン』 前作から同じパターンの繰り返し。 偉大な前作以上の驚きがない。 監督: 出演:リー・グラント,ウィリアム・ホールデン |
悪魔の子ダミアンが捲き起こす超自然的な惨劇を描いた恐怖映画『オーメン』の続編。
『新猿の惑星』のドン・テイラーが監督。
ハーベイ・バーンハードの原案をスタンリー・マンとマイケル・ホッジスが脚色。
製作は前作同様ハーベイ・バーンハード、共同製作はチャールズ・オーム。
撮影はビル・バトラー、ロバート・ブラウンが編集。
ジェリー・ゴールドスミスが音楽。
1978年製作/107分/アメリカ
原題:Damien: Omen II
配給:20世紀フォックス
両親を亡くしたダミアンは叔父夫妻に引き取られて13歳になり、従兄と一緒に陸軍学校に入学していた。
だが彼の正体に気づいて警告を発する周辺の人物が、次々と不吉な死を遂げていった。
ある者はワイヤーで胴体を切断されて、ある者は列車で圧死することに。
ダミアンは自分の正体に覚醒して、叔父夫婦がついに真相に辿り着いた時、目前には死が迫っていたのだ。
本作は『オーメン』の続編で、前作がすこぶる面白かったわけだが、前作の良いところが何故か裏目に出てしまった感がある。
前作では、音楽の使い方や残酷な殺害シーンが印象に残り面白かったが、続編である本作は、ただそのパターンを繰り返しただけになってしまったと思われる。
何故か、カラスが悪魔の使いとして登場するが、そのカラスが異常なまでに恐怖の対象となる。
カラスの登場とともに激しい音楽を乗せて、パニックに陥れる。
カラスに襲われた女性は、その後に視界が見えなくなったとはいえ、自らの意志でテクテクと道路の真ん中に飛び出すのだから、意味がわからない。
エレベーター内でカラダを真っ二つにしたシーンは一番良かったが。
またダミアンが相手を睨んだだけで、その魔力が発揮されて相手を死に至らしめるのだが、そこまでの魔力を発揮されると面白くない。
デ・パルマ監督の『キャリー』のように、激しい怒りで自分をコントロール出来ずに破壊していく感じは面白かったが、本作に至ってはダミアンが相手を睨むだけ。そこに激しい音楽を乗せれば良いという安直な演出に面白味がないのだ。
前作での良かった演出が、続編でも繰り返し同じパターンで使われると、驚きがなくなってくるのは当然である。
ダミアンが自分の魔力の存在を知り、自分の頭に刻まれた「666」という数字に気付き、その呪われた運命に絶望するという展開は良かった。
そしてこの「パート2」を経て、次作の最終章ではどんな運命が待ち受けているのか楽しみである、といったところで「カット、カット」。
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