『グレイテスト・ショーマン』とパッキャオのドキュメンタリー映画を観たが、パッキャオが貧困から栄光を掴んだ後、自分を見失い挫折して、再び希望へと立ち向かう姿は、まさに『グレイテスト・ショーマン』であった。

サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』や『スペル』は、ホラー映画でありながらコメディー要素が満載で、恐怖と笑いが同時に訪れるという不可思議な作品であった。

本作はホラー要素はなく、お笑いに徹している。

とことんおバカな展開で、くだらない大人の悪ふざけが面白い。

期待していた作品であっただけに、物語的には期待以下。

映像や暴力描写等は上手かったが、エロいシーン等は不要である。無理矢理エロいシーンを入れこんでる感じがした。

エロやバイオレンスを描くことが、必ずしも凶暴性を魅せることになるとは思えない。

例えば先日観た『ヒメアノール』は、必然性のあるエロとバイオレンスなのだ。

物語も父親の遺産を相続するためにゴチャゴチャ揉めるだけの、思ったより退屈な内容である。

ドキュメンタリー映画で、パッキャオのボクシング人生が描かれている。

少年の頃から、パンチのスピードが速くてビビった。

フィリピンでの貧困の中から、アメリカンドリームを掴んでいくパッキャオの姿に熱くなる。

貧困からの栄光と挫折があり、再び希望へと立ち上がるという先の展開がフツーに読めるごく単純な物語だが、ヒュー・ジャックマンの演技力と演出力のレベルの高さに非常に心地良かった。

同じくミュージカル映画の『ラ・ラ・ランド』はストレスも感じたが、本作はすこぶるミュージカルの魅せ方や物語のテンポの良さが上手かった。

こりゃもう日本人には出来ない世界なんだと思う。

素晴らしい作品である。