ジョン・ウー監督の出世作となった『男たちの挽歌』を観た。
『男たちの挽歌』 血と涙が流れること必至。 哀愁漂うガンアクション。 監督:ジョン・ウー 出演:チョウ・ユンファ ティ・ロン レスリー・チャン |
それまでのカンフー映画の流れを一新した“香港ノワール”の火付け役となった金字塔的作品。
本国公開時には大ヒットとなって、歴代興収記録を塗り替えた。
スローモーションを駆使したスタイリッシュなバイオレンス映像やチョウ・ユンファが撃ちまくる二丁拳銃の鮮やかさが、今もなおアクションファンを唸らせる。
キット役を初々しく好演した今は亡きレスリー・チャンにとっても、これが出世作となった作品である。
1986年製作/95分/香港
原題:英雄本色
配給:日本ヘラルド映画
裏社会に名を轟かすホーとマークのコンビであったが、取り引きで一人台湾に向かったホーは、トラブルに巻き込まれて逮捕されてしまった。
3年後に出所するが、ホーがマフィアだと知った刑事の弟には絶縁を突きつけられた。
そして、マークはすっかり落ちぶれてしまっていたのだ。
素晴らしき香港映画の名作である『男たちの挽歌』のシリーズ第一作目。
マフィアの兄と刑事の弟という「血と涙が流れること必至」の設定で繰り広げられるハードボイルドアクションに、握りしめた拳を強く固めて釘付けになる。
まったくもって似ても似つかない兄弟に大きな違和感を覚えつつも、「そんな細かいこと気にすんな!」というパワーがこの映画にはある。
まどろっこしい話は抜きにして、とにかく拳銃をカッコ良くぶっ放せばいいのだ。
黙々と二丁拳銃を華麗にぶっ放して、鮮やかに血祭りにあげる。
ジョン・ウー監督と主演のチョウ・ユンファは、見事に本作が出世作となったのも納得なのである。
シリアスな表情で拳銃を握り、裏社会の組織と戦いながらも、友情や兄弟愛を軸に泣ける物語も進行させていく。
ラストはド派手に、たった三人で組織を相手に拳銃の大花火を連発する。
銃撃と爆破シーン満載の盛大なアクションシーンではあるが、何故か哀愁が漂う、まさしく邦題の通り「男たちの挽歌」なのだ。
「男たち」と「挽歌」の合わせ技という、カッコイイ邦題を付けるよなぁと思わず感心をしてしまうタイトルである。
香港映画の情熱溢れる映画作りが画面を通して伝わってきたぜ!、ってなところで「カット、カット」。
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