ドラマ『絶メシロード』全話とスペシャル版を観た。
『絶メシロード』 週末の楽しみが心地良い共感を生む。 作る者、食す者、観る者への「絶品ドラマ」。 演出 : 菅井祐介,古川豪,小沼雄一,原廣利 出演 : 濱津隆之酒井若菜西村瑠香 (青春高校 3 年 C 組) |
地上波連続ドラマ初主演となる濱津隆之の2020年1月25日からテレビ東京「ドラマ25」で土曜 0:52 – 1:23(金曜深夜)に放送されたテレビドラマ。
株式会社博報堂ケトルによる群馬県高崎市のローカルグルメサイトである「絶メシリスト」が原案。
ドラマでは、実在の店舗、メニューが劇中に登場しており、店舗パートは店主への取材をもとに構成されていて、毎回エンディングでは写真で店の歴史やモデルとなった店主と俳優の写真なども掲載される。
2021年1月2日(1日深夜)に『絶メシロード 2021年元日スペシャル』として特別編が放送。
どこにでもいるごく普通のサラリーマン・須田民生(濱津隆之)は、日々の生活の中で様々なストレスを感じているのだが、民生の唯一の楽しみは、絶滅しそうなメシ“絶メシ”を求めて旅に出ることであった。
期限は金曜の帰宅後から 、妻と娘が好きなアイドルグループのライブ遠征から帰ってくる土曜日の夕方までだ。
「誰も誘わない・誰も巻き込まない・予算はお小遣いの範囲内で!」をモットーに絶メシを求め日本全国を車一つで駆け回り、中年サラリーマンの 週末限定一泊二日の小さな大冒険が繰り広げられる。
『孤独のグルメ』を観ていた流れで、グルメ系のドラマをチョイスした。
主演は『カメラを止めるな!』の濱津隆之さんで、妻子(娘)を持つサラリーマン役である。
気弱な物腰の低い姿勢と、それでも自分の意志は心の中にキッチリ持っているという役柄に共感を持つサラリーマンの人たちも多いだろう。
週末は車で郊外へと出向き、車中泊をして、その土地の「絶滅してしまうかもしれない絶品飯」を食べることが彼の唯一の貴重で贅沢な楽しみなのだ。
彼の心の中で繰り広げられる葛藤の優しい呟きと大いなる叫びが、純粋に絶飯を想うがゆえのコミカルさと相まって、非常に心地良くて面白い。
また、その店の店主と語り合うことで「ひとつの店の物語」を見せ、さらに絶飯に秘められた背景を知ることが出来るのだ。
人間にはそれぞれ一人一人にドラマがあるように、ひとつの店にもそれぞれドラマがある。
絶飯には、そんな何とも言えない哀愁が見え隠れする。
『絶メシロード』は、まさしくその店や店主までもが食材になり、秘められた物語が隠し味となって、濱津さんの食す姿や心の声によって、観ている者へ絶妙なスパイスを効かせてくれる「絶品ドラマ」なのだ。
ドラマを観て「面白い」と言う前に、丁寧に調理されたこのドラマを観て「美味い」とほくそ笑むのである。
そしてこのドラマで「ウザいけど愛されるヤツ」を、見事なまでの好演ぶりを発揮した山本耕史が最高に良い。
自分は1000万円のキャンピングカーを妻に相談もせずに購入して愛想を尽かされた孤独を抱えつつ、その寂しさゆえからなのか偶然会った濱津さんに過剰に接近して、ノーマルの車で車中泊をする濱津さんを「ノーマルさん」と呼び、勝手に友達になっちゃうヤバイけど憎めないヤツなのだ。
「絶飯を食べるのが趣味」という濱津さんに、「それの何が楽しいの?」と真顔で言い放ち、そのくせ遂には「山本耕史・回」のドラマが作られてしまうほど、視聴者を楽しませて笑わせてくれる。
もちろん2021年の元旦スペシャルも観させていただきました。
コロナ禍であり緊急事態宣言ばっかり出している現状で、なかなか難しいとは思うが、是非とも「シーズン2」を作って欲しいというのが僕の願いである、といったところで「カット、カット」。
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